部品屋根性(26) Seeed社、Grove LED モジュール

Joseph Halfmoon

前回、SeeedStudio社(以下Seeed社)がGrove Beginner Kitに秘めた?野望に瞠目しつつ、沢山のGroveモジュールにご満悦でした。美麗な集合基板から取り出してしまうのをちょっと躊躇ったのですが、カットしてしまいました。まずは、一番「簡単」なGrove化されたLEDモジュールから見ていきたいと思います。

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Arduino用のLEDモジュールといって、「LEDと電流制限抵抗が1個だけ」というものを想像すると違います。アイキャッチ画像を御覧ください。LEDの明るさを可変にできるように可変抵抗器が乗っています。また、マイコンの端子で直接LEDの電流を駆動するような(「Arduino業界では常識」ですが)ことはせず、ちゃんと駆動用のトランジスタも搭載されています。細かいことを言えば、Arduinoが直接いろいろなデバイスを駆動できてしまうのは、ATMELのATMEGAが、電流を引くのも流し出すのも結構できる設計になっているから。マイコンによっては(低消費電力狙いの系統)、そんな出力ドライバ搭載していなくて、ATMEGAほどの電流は流せなかったり、引けるけれど流し出せないとか、いろいろ。そんなマイコンをホストに頂いた場合でもモジュール側に駆動用のMOSFET搭載してくれていれば、安心と思います。

手元には以下のurlからダウンロードした回路図があり、そのpdf版を眺めています。

https://files.seeedstudio.com/wiki/Grove-Beginner-Kit-For-Arduino/res/Grove-Beginner-Kit-for-Arduino-SCH-PCB.zip

Grove Begineer Kit for Arduinoというタイトルで、2020/3/6の日付があるものです。そこにはLEDモジュールの回路図も含まれているのですが、若干、勝手な修正を加えたものを以下に掲げます。(例によって回路図は水魚堂さんです)

Grove LED module Circuit

 

一番の違いは、ダウンロードした回路図の可変抵抗みると「1k」と書いてあるように見えるのですが、アイキャッチ画像の部品を見れば明らかなように10kじゃないかと思います。今回、実際に電流測ってみて10kだと確かめたのでそのように書いてあります。また、ドライバのトランジスタですが、ダウンロード版の回路図はバイポーラ?に見えたので、MOSFETのシンボルに替えてあります(だいたい、ダウンロード版は抵抗器が四角の「新しくて正しい」書き方なのですが、私は古式を好みます。すみません。)

このモジュールを単にArduinoでLチカさせても芸がないので、Analog Devicesのお手軽アナログ学習ツール ADALM(M1K)で、電流を測ってみました(先ほどの可変抵抗の値もハッキリするので。)

ただ、Groveモジュールの場合、端子は出ていますがピッチが狭いので、普通のブレッドボード用の2.54mmピッチ前提のジャンパ線では信号が当たりずらいです。そこで、以前に買ってあった

Grove用のプロトタイプボード

を使って信号を取り出しました。ちょっと気になったのは、そのプロトタイプボード(Seeed社製ではなかったような気がする)付属のケーブルは、下のように1番が白、2番が黄色、3番が電源で赤、4番がGNDで黒です。今回ビギナ・キットに付属のケーブルは電源赤でとGND黒は一緒なのですが、1番黄色、2番白でした。この辺ルール化はされていないのかね、細かい話だけれども。GroveLED_DUT

さて、LEDを点灯させてその電流を測るだけなので、「測定系」も簡素であります。電源として、M1KのCH.A(200mAまで流せる筈)を、DC5VのSVMI(電圧源で電流測定モード)として赤の3番端子に接続、LEDをON/OFFするための1番のデジタル信号には、M1Kの側面に出ているデジタルIO端子の0番を接続しました。M1KのデジタルIO端子は単にHi, Lo, HiZが設定だけのお助け端子なのですが、こういう時には助かります。接続したところはこんな感じ。GroveLED_M1K

M1Kの測定にはAliceソフトウエアを使用。DC測定なので、上のオシロ波形は捨て、CHAの電圧の平均(AvgV)と、電流の平均(AvgI)、抵抗(Res)、電流Max(MaxI)、電流Min(MinI)を数値で出力させ、そこをキャプチャしてみました。

まずLEDが明るく光る方向に可変抵抗を回転しきった状態。かなり明るく光っているんでないでしょうか。平均で13.24mA(M1Kの測定した平均電圧は約4.88V)流れており、直列の抵抗値は368Ωくらいと。万が一にも流れ過ぎないように220Ωの抵抗が挟まっている(この辺も安心なところ)のでこんなもんじゃないですかね。
LEDmax

次にLEDが暗くなる方向に回転させます。無理なく回転できる末尾にても淡くLEDが光っていることが分かります。ま、室内だからか。この状態では平均電流0.49mAとかなり小さいです。直列の抵抗は約10kΩ。この測定結果からも可変抵抗はやっぱり10kΩと。LEDmin

まあ、文書上の細かい問題はさておいて、安心して使える感じのモジュールなので良かった。この後、Wio Terminalにも接続するので。

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