アナログを基礎からやり直すべく、前回より、アナデバ社(ADI社)のStudentZoneの記事を開設記事から順番に読ませていただいとります。実験やりたいのですが、最初のほぼ1年分ほどは読み物記事が続きます。でも毎回課題が出されるので宿題やらないと。でもね、数学というか算術が辛いんだ、年寄りには。そこで「お手軽ツール」の範囲を拡張。
※「お手軽ツールで今更学ぶアナログ」投稿順 indexはこちら
(本投稿の内容にネタバレというか、課題の解答含まれます。自力で課題を解くつもりの方は読まないでくださいませ)
さて今回読ませていただくのは、Anne Mahaffey氏による 2017年1月号の以下の記事であります。
内容については上記URLから直接読んでいただいた方が良いと思いますが、部品の発注の仕方なども含み確かに「実用的」な内容であります。また、Mahaffey氏自身が 電子工作ファンには御馴染みの Adafruit社 とか、SparkFun社 など「使いこんでいる」感じもあり、ADIの人も使うんだ、と改めて認識いたしました。
大学のメールアドレスで登録していると無料でADI社のサンプル貰えるプログラムはちょっと気になりました。日本でもやっているのかどうか分かりませんが、アナログの裾野を広げるのに立派なプログラムです。
さて、本題は末尾の課題です。まず最初にURLを引用しておきます。宿題の解答記事はこちら. 問題そのものではありませんが、上のアイキャッチ画像に掲げた、手書きのメモの抵抗網に等価な合成抵抗が求まれば課題はクリアであります。上記のメモを書きながらこれは前回のような「暗算で出来る」課題じゃないことは理解しました。そして、即座に自分で計算することは諦めました。とはいえ、SPICEに回路を食わせて答えを得るのでは勉強にならないので、
- 式は自分で立てる
- 計算するのに「お手軽ツール」を使っても可
- ここで使える「お手軽ツール」とはスマホで使えるもの
以上、自主設定のローカルルールであります。
解法1 連立方程式
であります。Yasuaki Honda様 移植ありがとうございます。これさえあれば、大丈夫でしょう。上の手書きの回路の結節点、まる1、まる2、まる3毎に電流についての式を立て、ループ1、ループ2、ループ3について電圧(ここで抵抗は全て5kΩなので省略)について式を立ててみました。その様子を以下に。
変数5個に対して式が6個あるのですが、後はMaximaお任せで “solve” してもらうと、こんな連立方程式などMaximaの前では一撃です(多分、私も中学生の頃なら解けたかもしれないが。。。今は絶対無理。)
AとGに流れる電流が4/7 mAと分かったので、5kΩの抵抗網の両端に発生する電圧は5.71Vと判明。これに直列な1kΩのところの電圧降下1Vを足せばお答え、と。一応。答えは合っているのだけれど、ADI社の模範解答とは解き方が違いました。
解法2 最後の1個になるまで合成抵抗を求める
問題には抵抗が合計10個出てきます。私も最初の3個は暗算で1個の合成抵抗に置き換えできましたが、その後は諦めました。しかし、Mahaffey氏は、「呼吸をするように」Y結線-デルタ結線、並列、直列と抵抗を置き換えて1個にしてしまっているのです。
そんな風にやってみたいものだ、と思いましたが自力では確実に計算間違えます。しかし、スマホには良いツールが入れてあるのです。
僭越ながら有償のPro版を使わせていただいております。抵抗の計算はFree版でも出来るのでは、多分。
Y結線とΔ結線の変換は以下のページでできます。
抵抗、直列抵抗の変換は下の例のように簡単に出来ます(E24系列などの部品縛りも可能)。
課題の場合、数えてみたら以下の回数「合成抵抗計算器」を稼働させれば最終結果を得られました。
- 直列
- 並列
- Y結線=>Δ結線
- 並列
- 並列
- Δ結線=>Y結線
- 直列
- 直列
- 並列
- 直列
- 直列
暗算でできる簡単な定数のところも多いので実際には全てをこの「電卓」に頼ることはないでしょうが、手順自体は多いです。
最初の1kΩを除く「ネットワーク部分」の最終結果を求めるところで左のようです。
途中経過を図上にメモりながらやらないと駄目です。
一応この方法でも解答に辿り着けたのでまあ良いか。
中学生レベルの計算能力はなかなかハードル高い。スマホの上の「お手軽」ツールで答えは出るけれども多分タッチパネルで操作している間に受験生ならとっくに手計算で答えが出ているのではないかと思われます。とほほ。まあ、頭のリハビリみたいなものか。
これから問題もレベルが上がりそうですが、ずるいことにMaximaがあるので、多分計算はできるでしょう。が、ちゃんと問題を理解して式を立てられるかが問題か。