アナデバ社(ADI社)のWeb記事「StudentZoneを端から」読ませていただいております。前回ようやく実験シリーズに再突入できて嬉しかったのですが、まだ基本の回がつづきます。今回は抵抗使って分圧とか分流とかの実験です。正直、かったり~な的な。しかし前回のグラフに影を落としていた「電流の測定誤差」の1件が再び登場、どうしたものか。
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開設記事から順に読んできましたStudentZoneもようやく2018年1月号であります。早くしないと死ぬまでに読み終わらん、と思いつつもチンタラやってます。今回記事のURLを以下に貼り付けさせていただきます。
まだまだ基本、今回は、「お手軽ツール」ADALM1000(M1K)と抵抗数本をつかって、分圧(電圧測定)、分流(電流測定)であります。
電圧測定
前半の電圧測定の方は問題ありませなんだ。唯一、文書に書いてないのが、直列抵抗2本のうち、GNDから遠いほうの抵抗の両端の電圧の測定方法です。まあ、簡単なので流した?
該当の抵抗にかかる電圧はCH-AとCH-Bの電位差になるので計算しないとなりません。上の画面キャプチャの赤枠のように平均電圧が求まっているので、表示された値から計算してやる必要があります。「波形」として追加(上の図ではX1という点を通る紫のプロット)したい場合には以下のようにMathボタンから計算式を指定してやる必要があります。
電流測定
後半の分流回路の電流測定では問題が勃発。一応、ドキュメント通りで測定したのですが、電流測定値が計算値と乖離しすぎ。演習になりませぬ。ここで思い出されるのが、前回、ダイオードの特性を測った時に、ほとんど電流が流れない領域で 1mAくらいも電流が流れるように「見えていた」件です。電流測定の問題が疑われました。
そこで、急遽、記事には書いていない独自実験を開催?
- 1kΩの抵抗の両端にCH-AとCH-Bを接続
- 双方ともSVMIモード、DC出力
- CH-Aは5V出力指定
- CH-Bは0V出力指定
期待される状況は、CH-Aからは5mA流れだし、CH-Bには5mA流れ込む(表示としてはマイナス)、流れる値と流れ込む値が一致、というものであります。実測した結果は以下に。
水色がCH-Aの電流、黄色がCH-Bの電流です。本来電流0の軸を挟んで対象の位置にあるべき2本が大分アンバランスです。なお、電圧出力は5V指定ですが、読み取れた電圧値は4.8756Vでした。
勝手な解釈にて電流オフセットを調整してみることにいたしました。本当は電圧、電流、ゲインとオフセットをすべて調整するべきなのでしょうが、今回は電流オフセットのみの「なんちゃって」調整です。軸を挟んで対称になるように、また、電圧測定値と整合的な値になるように目分量で調整。こんな感じ。なお、Offsetの単位 mA であります。
実際の測定結果
測定値と計算値を比べて比較しないとならないので、以下の表にまとめました。
- Case 1 分圧の測定のうち、1aの回路
- Case 2 分圧の測定のうち、1bの回路
- Case 3 分流の測定のうち、2aの回路
- Case 4 分流の測定のうち、2bの回路
計算値のAは電源電圧を設定値の5Vにとった場合です。計算値のBは、電源電圧を実測値の4.81Vにとっています。右端の実測値と比較するとわかりますが、Aでは実測値と乖離が大きいですが、Bだと良くなります。抵抗値の誤差など他にも考慮すべき点があるのですが、この実験では、電源電圧の誤差を考慮すれば大体説明できてしまう感じですかね。なお、ケース3/4の電流測定値は上記の「オフセット」調整後の値です。オフセット調整をしないと、数十%も誤差が生じてしまい、説明不能な値となってしまいます。
まあ、勝手なオフセット調整で切り抜けたけれども、そんなんで良いのか?
なお、定例のQuizの解答、アナデバ社のサイトを調べると、2017年12月のクイズ解答の後は2018年2月となっており、この1月分への解答は見当たりません。アナデバの人もかったるかったのか?