先週、「Armマイコン」プログラムで学ぶデジタル信号処理(三上直樹先生、工学社刊)を購入、早速実験を始めるつもりで部品類を発注いたしました。いつもよりちょっと時間がかかったですが部品到着。まずは準備として「外付けのアナログ回路」を作成、例によってボード線図など取得して組み立て後の動作確認をいたしました。
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念のため、書籍の発売元へのリンクも貼り付けておきます。
本文中には、Armマイコン上でデジタル信号処理を学ぶために、マイコンのADCの前段および、DACの後段に接続するアナログ「外付け回路」(AFEと言ってもいいと思うのですが、「アナログフロントエンド」という言葉は書かれていません)が掲載されています。また、ダウンロードする「付録PDF」ファイルには、応用というべきか、ツールというべきか、同じマイコンボードを使ってオシロスコープとファンクションジェネレータを構成する項目があり、そこにも「外付け回路」が掲載されています。
入力用と出力用の2回路を一つの小さなブレッドボードに収めることができる簡単な回路で、本文も付録PDFも構成はよく似ています。
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- ADC入力に接続する「バッファ」(ボルテージフォロワ)回路
- DAC出力に接続するローパスフィルタ(パッシブ)回路
本文用とPDF用の違いは以下です。
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- 本文用の「バッファ」入力回路は、1チャンネル構成、OPアンプはNJU7031使用
- PDF用の「バッファ」入力回路は、2チャンネル構成、OPアンプはNJU7032使用
- 本文用の出力LPFは、カットオフ周波数約4.8kHz
- PDF用の出力LPFは、カットオフ周波数約48kHz
OPアンプは例によって秋月電子通商殿にて購入しました。
NJU7031/NJU7032は出力レール・ツー・レール、単電源の「お求めやすく」かつ「工作しやすい8ピンDIP」のCMOSオペアンプです。NJU7031はオペアンプ1回路、NJU7032は2回路入りです。マイコン側は3.3V電源で動いているので、入出力ともレール・ツー・レールのOPアンプであれば、3.3V単一電源で良いとのことです。しかし残念ながらNJU7031/32は出力のみレール・ツー・レールなので、5V電源で動作させており、別にAVDD参照電圧として3.3V電源も使っています。
手元在庫には7031よりも速そうなもの、ちょっと遅そうなものなど、入出力レール・ツー・レールのOPアンプがあるので、後で取り換えてみようかと思います。まずは、文書に記載の回路通りで行きたいと思います。
作成したブレッドボードが以下に。回路図だけでなく、ブレッドボード用の実体配線図まで掲載していただいているので、何も考える必要なく、パキパキ部品を差し込んでいくのみ。唯一気づいてしまったのは、PDF版の回路図です。NJU7032という記載があり、勿論そうなっているのですが、1か所「NJU7031」の文字が残っています。多分、コピペしたときの消し忘れ?
本文用シングルチャネル版
PDF用デュアルチャネル版
どちらも後で時間があるときにユニバーサルボードに半田付けしてしまおうと思います。
さて、組み立てできたので動作確認をばいたします。これまた例によってDigilent Analog Discovery2利用。
シングルCH入力回路(7031)
以下黄色が入力信号、青が出力信号です。入力回路はボルテージフォロワなので、入力波形と同じ波形が現れてくるのが期待です。唯一異なるのが、生の入力信号が0V中心に振れていても、出力信号はADCへ入力可能な0V~AVDD電圧の間にシフトされていることです。こんな感じ。
ボード線図で入力のボルテージフォロワの特性を確かめます。カットオフ周波数は約1.1MHz。今回使用予定のサンプリング周波数10kHzといった領域ではまったくフラットに見えます。
シングル回路側搭載のLPF
本文想定のサンプリング周波数10kHzにあわせ、カットオフ周波数が約4.8kHzに設定されています。実測結果もそんなもんかい。
デュアルCH入力回路(7032)
7032は1パッケージにオペアンプ2個搭載なので2つのチャネルが作れます。第1の入力チャネルの様子がこちら。上のシングル版とほぼほぼ一致。
念のため、第2入力チャネルの測定結果がこちら。最初、ハシボーな結果が出てうろたえたら、回路の間違いでなく計測用の配線間違えてました。まあ確かめるにしかず。見るところを見ればOKです。
デュアル回路側搭載のLPF
こちらのLPFはカットオフ周波数が約48kHzになっている筈ですが、そのとおり、問題なし。
「外付け回路」(アナログフロントエンド?)できたので、ちゃんと本文勉強しないと。。。