
このシリーズの前回で、『「衝撃弾性波法」です。これは技術的に興味があるので、また別稿を設けて取り上げさせていただきたいと思います。』などと書いているので、今回はその宿題に取り組みます。その測定方法にも興味は勿論なのですが、デバイス屋視点ですから、即物的に、ぶっちゃけどんな「電子デバイス」が使われているの?というのを知っておきたい、ということになります。それにしても弾性波という言葉を聞くと、P波とS波という言葉が即座に浮かびます。
デバイス作る人>>デバイス使う人>>デバイスおたく
ここまで取り上げさせてもらってきたマイコン屋さんの多くで、買収や合併などを通じてMCU製品ラインが整理統合されてきた様子を窺い知ることができました。どの会社にも「利益率が高いとは言えないマイクロコントローラ事業」と格闘してきた「長い歴史」がある、と言えるでしょう。マイクロコントローラを事業にしている会社の数はかなり減っている、というのが実感です。そんな今時、といっても2015年ですが、マイクロコントローラに新規参入した会社があるのです。米国テキサスのAmbiq Micro社です。
実を言えば、このMCU屋さんを経めぐるシリーズの最後までとっておこうと思っていたのです。MCU業界の元祖、本家、なんと形容してもよいでしょうインテルです。しかし、先手を打たれてしまいました。インテルの製品ラインの中で、ただ3機種(オーダー番号には5品種)、ROM、RAM搭載したマイクロコントローラとして残っていたQuark 製品に悲しいお知らせです。インテルが1月18日に出した資料からタイトルを引用させていただきます。
Intel® Quark™ products,
PCN 116715-00,
Product Discontinuance, End of Life
なんとか世界中のマイコン(マイクロコントローラ)ベンダを網羅すべく活動しておるのですが、まだまだ「大物」なところも列挙しきれておりません。昔に比べるとベンダの数は激減したかにも思えるのですが、マイコン屋は死なず、という感じです。本日、取り上げさせていただくのは、Panasonic セミコンダクターソリューションズ社です。いろいろ変転はあったにせよ、Panasonicの半導体子会社ということで間違いありますまい。略称は、PSCS。(Panasonic Semiconductor Solutions Co. Ltd.なので、何でPSSCにしなかったのか個人的な疑問が残ります。知っている方いらっしゃいましたらお教えください。)
前々回、調べる対象を「橋梁」ということで絞ったので、今回は橋梁の維持管理(見守り)に使われる「リーディング・エッジな」(電子デバイス的な表現ですが)技術をいくつか調べてみたいと思います。例によってNETIS維持管理支援サイトを見てみると、ちょうど「手頃」な資料がありました。1年近く前のものですが、2018年03月29日付けの
「コンクリート構造物のうき・剥離を検出可能な非破壊検査技術」の評価結果について
という資料です。NETISはトップページから入ると名前こそ聞かれませんが、「どのような立場の人物か」聞かれるようになっている(ぶっちゃけ、私のような素人は「その他」ですが)ので、直接この資料へのURLを張るのがはばかられました。もし関心があるようでしたらちゃんとトップから入って質問に答えた上で探してください。
SDRで検索すれば、IMFの「特別引き出し権」が真っ先にヒットします。しかし、新旧「ラジオ少年」どもの群れ集う一角では違います、SDR=Software Defined Radioです。デジタル回路の高速化のお陰で、無線送受信機の機能の大部分をソフトウエア定義のデジタル処理で実現できるようになりました。応用も広がっており、注目の技術ではあるのですが、いざ素人が勉強しようとすると、入門用にちょうど良い文献が少なく難渋します。そんな中、CQ出版社の出版物にはお世話になるのですが、このほど「また」SDRの連載が「トランジスタ技術」で始まっています。この分野の技術の「進化」が読み取れる連載です。
Gartnerから2018年の半導体売上高のランキングが発表になっていました。トップ10から日本企業が消えた、というニュースを見た方も多いのではないかと思います。実際には東芝メモリが東芝デバイス&ストレージと分割してカウントされるようになったためとは言え、往年の日本半導体を知るものにとっては「悲しいお知らせ」でしょう。一方、御隣は、Samsung Electronicsが首位、SK hynixが3位と、がっちりランキング上位を占めています。まったくもってメモリのお陰です。しかし、ことマイコン、MCUとなるとほとんど存在感はありません。Samsungは、スマホ向けのArmベースのSoCプロセッサは有名ですが、MCUは米IXISに出してしまったようです。そんなメモリの国にも、マイコン屋はいたのです。
「マキシム」というと「コーヒー」のブランドを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、半導体業界では、Maxim Integrated社に決まっています。この会社に対する業界内でのイメージは「アナログの会社」でしょう。これまた、一般では「アナログ」というと「デジタル」より遅れているようなイメージを持たれるかもしれません。しかし、半導体業界では、「アナログが強い」=「ガッツリ儲けている」というイメージです。デジタルは誰でもできますが、良いアナログは限られたところでしかできません。そんなMaxim社にもデジタルなマイコン(マイクロコントローラ、MCU)はあるのです。
MCU(マイクロコントローラ)業界でもメジャーな会社の一つが STマイクロエレクトロニクス社です。本社スイスですが、そのルーツはイタリアとフランスにまたがっています。そして、その長い歴史の中で欧米の多くの半導体メーカを飲み込んできた欧州を代表する半導体メーカであります。そんなメジャーな会社を後回しにしてきたのは、一重に「変なところがない」(ので面白くない、すみません)からです。まさに、現時点でのMCUメーカとしてはこの方向でしょ、というそのものズバリ優等生路線。