介護の隙間から(11) ちょっと声かけて

JosephHalfmoon

今回は、ちょっとユニークなシステム1件と、あんな会社も「認知症老人徘徊感知器」に取り組んでいたのだと、ちょっと意外だった2件を取り上げさせていただきます。介護とセンシング、調べれば調べるほど奥が深い。

最初に取り上げさせていただくのは、福岡は久留米の会社で株式会社Y・S・Y・エンタープライズさんの「HITOMI」というシステムです。この装置はカメラで顔認識をします。事前に介護される方の顔を登録しておくことになります。そして出入り口などに設置したカメラの顔認識で出て行ってしまいそうな要介護者を認識するわけです。しかし、顔認識がユニークだ、というつもりはないです。なんといっても関心したのは認識した後の対処です。当然、出入り口から出る様子を動画で残したり、メールで介護者に通報したりするのですが、その前に顔認識した時点で、要介護者の方に機械が「一声かける」のだそうです。音声合成なのか、録音ボイスなのかは分かりませんが、徘徊を思いとどまらせるような声掛けをするのだ、と思います。いままで、検知して介護者に通知というパターンを見てきて、ちょっとモヤモヤしていたのです。確かに、電子デバイスができることなど高が知れていますが、要介護者に一声かければ、何らかの効果があるような気がします。実際の運用例など、効果はどうなんだか知りたいところです。

次に取り上げさせていただくのは、

昭和電工株式会社

です。大きい会社なのですけれど、渋い。工業関係の方以外の一般の方には無縁かもしれません。ホームページに行くと「ア」のアリルアルコールから始まって、「イ」のイソブタンとか、膨大な製品群が並んでいます。勿論、水素でも窒素でもお望みのままに売ってくれるでしょう。そんな膨大な主として工業用原料であるところの製品一覧を見ていてもみつからなかったのですが、ちゃんと「離床センサ」がありました。

SHOCARES(TM)

これはベッドからの離床をセンスするためのセンサなのですが、マット型のセンサなどではありません。見ればセンサの実体はアルミの板のようです。先ほどの製品群の中にはアルミナ以下、アルミ関係のものも多数、そのアルミの応用でした。アルミの剛性を利用し、重量を測定するセンサなのです。ベットの足4本の下に敷いて使うようです。マット型のセンサの上に寝たことはないのですが、自分が寝ることを考えると、ゴワゴワしないかとか、蒸れないかとか気になってました。ベットの足の下なら寝心地変わらず。このアルミ利用のセンサはなかなか優れもので、単にベッドの上に居るか居ないかだけでなく、端に座っているのか、起き上がりつつあるのかなど状態を把握できるようです。測定精度もあるでしょうが、4本脚それぞれの重量変化のパターンを計測できるからこその技じゃないかと推測します。重量そのものは歪ゲージのようなもので測定しているのでしょうか?さすがにそんなことまでカタログに書いていないので、後で特許でも調べてみようと思います。

最後に取り上げさせていただくのは、バリバリの電子部品(つまりは渋すぎるかもな)メーカさんです。

株式会社光波

LEDの会社です。介護ではなくて電子部品の方の投稿でLEDを調べるときにちゃんと調べないといけないな、と思っていた矢先に、介護の調査リストの方に入っていました。資料を拝見するに、介護に関してはまだこれから、という感じなのですが、道具だては、LEDランプ+人感センサです。人が居ると点灯するLEDランプがありますよね。その応用といった感じで徘徊をセンスするようです。しかし、よく見るとその人感センサは、「24GHzのマイクロ波」を使ったものでした。以前ミオ・コーポレーションさんのバイタルセンシングで使われていた技術です。特小無線。どうも光波さんは、自販機向けのLED(自販機についている光るボタン)がお得意で、自販機業界に強いらしく、自販機前に人が来たことを検出するためにマイクロ波の人感センサを扱っていたようです。意外なところから介護につながったものです。LEDランプで呼吸や脈をとるところまでできるのか。チャレンジですね。

介護テーマの前の回へ戻る

介護の隙間から(12) インターネット接続と介護保険 へ進む