IoT何をいまさら(3) 電池駆動の監視カメラ

JosephHalfmoon

介護の投稿の方で取り上げさせてもらっていますが、カメラを使って「見守る」というシステムがいくつも存在します。「見守り」にカメラというのは、極めて自然な発想だと思うのですが、大人の事情で、単なるWebカメラは介護保険の適用になる貸与品にはなりません。そこでモーションセンサなどとカメラを組み合わせて徘徊検知、というシステムがいくつか存在します。ただ、動画を撮影し、それを離れたところまで伝送するという処理の特性上、通常は皆AC電源を必要とするものが多いです。今回は、介護の枠を外し、「一般のネットワーク機器」のカテゴリで電池駆動の監視用途のカメラを調べてみました。典型的なIoTとも言い難いかもしれませんが、カテゴリはIoTにしました。カメラ画像をただ眺めていればIoTとは言い難いですが、なにかの処理をすればIoTでしょうかね。

今回取り上げさせていただく、電池駆動できる監視用途のカメラは、

Arlo

というブランドです。もともとNetgearという、ルーターなどのネットワーク装置を作っていた会社の1部門が作っていたようですが、現在では独立の会社になったようです。しかし、ホームページを見る限り、Arlo by NETGEARなどと表示されるので、まだまだ一体的なオペーレーションをしているようです。

電池駆動以外にもAC電源の製品もやっているようですが、今回は電池駆動にしぼっているので、対象は以下の3機種です。

Alro1280x720CR123A*4
Alro Pro1280x7202440mAh充電式
Alro Pro21920x1080p2440mAh充電式

防水で、屋外に設置可能、ワイヤレス、赤外線使ったナイトビジョンを装備、そしてモーションセンシングができるところまでは3機種とも共通しています。ただし、細かい仕様は機種毎に異なっています。画素数見るとArloとArlo Proは1280x720で、Arlo Pro2はHD、電池はというとArloはCR系のちょっと容量大きめの1次電池、ProとPro2は2次電池になっています。また、ProとPro2にはマイク、スピーカもついていて「会話」も可能なようです。

このシステムの特徴は、上のカメラモジュールとは別に、AC電源で動作しネットワークに接続するベースステーション、という装置が必要であることです。複数台のカメラモジュールを1台のベースステーションで制御できるようです。ベースステーションはWiFiルータのようにも見えるのですが、なにかカメラ親機として特有の処理をしているもののようで、カメラモジュール単体でネットにつないで動作させる分けにはいかないようです。通常のAC駆動のネットワークカメラであるとそのままWiFi等でネットに接続して後はアプリで監視できたりします。Alroの場合、カメラ側が電池駆動ということもあって、何かベースステーション側にオフロードしている処理があるようにも見えます。なお、ついCPUが気になるので書き添えておきますが、Alro用のベースステーションは MIPS 74Kコアですが、Pro, Pro2用のベースステーションはArm Cortex A7になっています。(MIPSが段々駆逐されているようで寂しい。)

モーションセンサについては、パッシブ型の赤外という記述があったので、焦電センサを使用しているものと思われます。これをトリガにして記録するだけではなくて、メール通知などもできるようです。この焦電センサ+カメラというのは、徘徊検知装置でも多くみられる組み合わせです。また、Pro2だけなのですが、電池でなくAC電源を与えた場合、カメラ画像を処理して動体検知もできるようです。この辺のセンサ部分だけみるとつい「介護保険適用になるじゃん」と思ってしまいます。しかし、結論から言うとArloには「介護保険適用」にしずらい、しかし、このシステム特有の最大の特徴があるのです。

モーション検出でトリガして撮影された動画は、クラウド上のストレージに格納される

このクラウド上のサービスこそが、Arloの特徴と言えます。スマホでそこへ行けば過去の映像が見られるわけです。そしてここがビジネス的なキモでもあります。

カメラ5台
1GB
7日間
無料
カメラ10台
10GB
30日間
1190円/月
カメラ20台
100GB
60日間
1790円/月

装置を売り切りにするだけではなくて、ちゃんとリカーリングビジネスなのですね。7日などと日数が切ってあるのは、各画像の撮影からの保存期間だと思います。ビジネスモデルとしてはかくあるべきという姿なのですが、こと介護保険適用で「貸与」品にしたい、と考えると、Alroのこの機能とは両立しないでしょう。そしてAlroのこの機能はオプションで分離できるものではなく、本質的なものです。介護のトラックでAlroを取り上げなかった理由がここにあります。

なお、AlroはAmazon Alexa対応をうたっています。この辺は下のスマートホームの回でも取り上げさせていただいていますのでご参照ください。

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