IoT何をいまさら(7) 傾斜スイッチ

JosephHalfmoon

大抵のセンサは電流を流してやらないと動作しません。また出力されてくる信号が小さかったりすることが多いので増幅が必要なことも多い。そしてアナログ出力をマイコンで読み取ろうとするとADコンバータがいります。電気が必要な仕事が目白押しです。その点スイッチは良いです、電気食わないし。ON/OFFの2値なので、マイコンの割り込み端子と抵抗の一本もあれば簡単にインタフェースとって使うことができます。そのためか、何か物理量に反応してスイッチがON/OFFされるような製品が結構でています。センシングといってもある閾値を越えたかどうか分かればよいだけならスイッチで十分ですから。本日調べるのは、傾斜するとスイッチが入る/切れるスイッチです。何かの転倒を感知したりするのに重宝します。

傾斜に反応(つまりは重力に反応)するスイッチは、傾斜スイッチあるいはティルトスイッチと言われます。また傾斜センサという言い方をされる場合もあるようですが、傾斜(角度)を測るような「高級」なセンサとは一線を画し、ある傾斜以上になったことをON/OFFで知らせるものだけを今回対象としています。

方式として大雑把には以下の2方式あるようでした。

傾きを感じる方式メーカ
容器内部の球が2電極間に接触NKKスイッチズ
SWITRONIC
SignalQuest
Oneque
容器内部の球がLEDとフォトセンサの間の光を遮断NKKスイッチズ
Panasonic
Oneque
容器内部に封止された水銀昔はあったようだが、見当たらず。環境対策で消えた。

かつては、水銀使った方式もあったようですが、有害物質が駆逐されて久しい電子デバイス業界ですから、現在では見当たりませんでした。しかしなぜ昔は水銀使ったのかと考えると腑に落ちます。やはり、球と電極の接点の問題を嫌ったのでしょう。球は1点でしか接触しないので、ちょっとの微振動にも反応しそうでちょっと心配です。

さすがにそれに対する改良も考えられていました。NKKスイッチズの傾斜スイッチの中身です。大きさの違う球が複数個入っているのだそうです。これにより、球と球とかかみ合って微振動で揺らがないし、コンタクトの信頼性も上がるという工夫です。ただし球をいれてあるスイッチ本体の大きさは若干大きめなようです。他社の小型普及品は球1個を缶に入れただけなので、大きさは小さいものが多いです。また、球の接点の面積が狭いということは、接点に流せる電流が少ないとも言えます。実際データシート見てもスイッチという割には微小なmA単位の電流くらいしか流せないものがほとんどです。それを補うため、大電流を流すための回路を内蔵するような大型のタイプも存在するようですがこちらも今回は対象外と。

缶の中に球を詰めて一方の底辺と側面を電極にして玉が一方に偏ったらONという方式は、取り付け方向と傾きの方向によっては缶の側面にそって回るだけになってしまい反応できないことがありそうです。そこで使われるのが、LEDと向かい合ったフォトセンサの間に球を配する方式です。球が中央に落ち着いていると光は球に隠されており、球が傾きで動くとLEDの光がフォトセンサに届いて信号を発するという方式です。これであれば360度どちらに傾いても反応するでしょう。しかし、半導体素子に電流を流さざるを得ないわけで、スイッチだから電気を食わない、という利点が成り立たなくなるのがちょっと残念です。

なお「スイッチ」を使うときには定石ですが、かならずチャタリングがあるものとしてプログラムを組むなり、回路を作るなりしないとマズイです。念のため。

傾斜スイッチと同様な原理で動作するスイッチの一族には、振動に反応するスイッチ、加速度に反応するスイッチなどいろいろなものがあります。中で一番、日本らしいなと思ったのが、生方製作所の感震器です。日常生活の揺れには感じず、地震動にのみ反応するスイッチ。ガスマイコンメーターの地震検知に使われているようです。

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