IoT何をいまさら(8) x軸センサ、何軸まで許せる?

JosephHalfmoon

昨日、マイコンテーマの方で、センサにつなげるシリアルポートを調べていて思ったのですが、この手のデジタル系のインタフェースにつながるセンサ、「3軸」とか「6軸」とか何か「軸数」というものがキーワードになっているセンサがとても多いです。x軸みたいな言い方が「流行った」最初は3軸だったと思うのですが、6軸、9軸など、今や何それ、という軸の増えようです。なんでそんなに「軸」が増えたのか、どこまで本当に「軸」なのか、今日はちょっと考えてみたいです。

この「軸」という表現なのですが、最初は本当に「軸」であったと記憶しています。どのx軸センサが最初に出現したのか、今となってはよくわからないのですが、多分最初のx軸というのは、

加速度センサ

ではなかったかと想像します。加速度、まさに「モーション」を示す物理量の一つですね。物理で教わったとおり、F=mαなので、質量を乗ずれば力[ニュートン]が求まります。当然、この世の中は3次元(一部の人は2次元に住んでいるという噂も聞きますが)なので、3軸の加速度を測定できれば、1回積分すれば、各軸方向の速度が求まり、もう1回積分すれば移動距離も求まります。3次元空間の中での移動が求まるわけです。それで、3軸の加速度センサというものが登場してくるわけです。当然、3軸登場の前には、2軸とか、もっとも基本的な1軸とかの製品もあった分けです。1軸や2軸では、取り付ける方向次第で加速度が計測できたり、できなかったりします。機械部品のように移動方向が制限されているならばそれでも良いのでしょうが、(普通の3次元の)空間内で自由に運動できる場合は、3次元、無いと取りはぐれてしまいますね。加速度センサの初期の応用は車のエアバッグにトリガをかけるためだったのではないかと思います。その後、3軸加速度センサのケータイ的応用として「歩数計」なども登場します。昔の歩数計は身体の振動から歩数をとるために、錘のついた小さな振り子を内蔵してカチコチ言わせているものもありました。まさに加速度センサ(というより加速度スイッチ)、それも1軸。その後、電子的な加速度センサ応用で腰など特定の位置につけなくとも計測できるような装置が現れます。ケータイに入るためには3軸を小さな1パッケージに納める必要がありましたが、ちょうどうまい具合にエアバッグ用のセンサが既に存在した、という感じではなかったでしょうか。

加速度センサで「平行移動」を知ることはできます。しかし、動きには平行移動以外に「回転」があります。そこで登場してくるのが、回転角を捉える「ジャイロ」センサです。電子的なジャイロセンサの場合、中で独楽のようなものが回っているわけではなく、MEMSで作った振動素子の一種というべきものです。これで回転軸に対する角加速度を知ることができるわけです。これも普通の世の中なら3次元。3次元のジャイロセンサの登場です。

3軸の加速度センサと3軸のジャイロセンサがあれば、3次元空間内の物の動き「モーション」を完全に捉えることができゾ、ということになります。そこで出てきたのが、3軸+3軸で6軸という表現です。3次元空間なので数学的に独立な軸が6個もとれるわけないのでちょっと引っかかる表現ですが、測る対象が異なるのだから、3+3で6じゃ、という勢い。

これを横でみていた(?)のが地磁気センサです。地磁気センサは、地球の磁力線の方向を知るためのセンサです。単純に磁極の方向をしるだけならば、地面と平行な平面内に2軸あれば方向が決まる筈ですが、地磁気には伏角あり、それに手持ちの装置で方向測るときに水平に保てる筈もありません。地磁気センサも結局3次元空間なので3軸センサとならざるを得なかったわけです。そこで動きを決定するための加速度3軸+角速度3軸に地磁気の3軸を加えて9軸にすれば、3次元空間の中の動きを、地球というものを基準とした方角の中で決定できるわけです。3種の合体の順番はもしかするといろいろあったかもしれませんが、結局3種各3軸あわせて9軸となったわけです。ここは、あくまで小さく小さくという、スマホの実装の圧力をひしひしと感じます。世の中、スマホのお陰で小さくなった電子デバイスが随分あるように思います。

しかし、9軸ではとどまりません。何時の頃からでしょう10軸、という表現を聞くようになりました。+1軸は、圧力ですね。いままでの、加速度、角速度、地磁気はいってみれば「ベクトル量」なので、軸という表現も分かるのですが、圧力は「スカラー量」です。軸とか言って良いの?と思ったりもするのですが、用途を考えれば「許せる」範囲じゃないでしょか。測るのは気圧です。地球の重力方向に上に上がれば小さくなり、下に下がれば大きくなる量。ちゃんと方向性があります。高度計として高さを測るなら立派な1軸でしょう。

10軸までは許せる、と思うのですが、多いほうが景気が良くて営業的にもOKと思ったのかどうか。12軸とかいう表現も見つかります。しかし、実際測っているのは「温度」だったりします。スカラーだよね、温度。温度に「軸」はそぐわないのではないかい。まあ10軸までは、空間の中の位置や動きを記述するためなのでジュク、ジュク言っても「許せる」のではないかと。

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