週末発注した追加の部品やら秘密兵器<アナデバ製品>やらが今日届きました。秋月通商のネット通販ページによれば「コロナの影響で発送作業に遅延」と書かれておりますが、
秋月電子通商、健在。
宅急便屋さんもありがとさんです。しかし、前回から始めたLT-SPICEシミュレーションはトホホな感じ。まあね、遥かな昔、新人の頃に2カ月やっただけで、俺には向かないと回路設計から逃げてしまった私なので、歳をとったからと言ってうまくなっている筈もなく。
※かえらざるMOS回路 投稿順 INDEX
トラ技5月号の付録基板に触発されて、古のMOSトランジスタ回路を再現してみる「企画」、回路設計がご専門の筈であったAraha氏に相談しましたよ。
2相ノンオーバラップのクロック欲しいよね。
ダイナミックなNMOS回路(モドキ)を目標としているので、クロック無しには回路が成立いたしませぬ。さらさらと回路図を描いてくださるかと思いきや、トラ技のホームページにある発振回路をシミュレーションしておけ、とのお言葉であります。以下のページの応募例2にある「周波数可変の発振回路」です。
CMOS ICの設計例 ~ICデザイン・コンテストに向けて~
Araha氏曰く、
この回路は、外付け容量を適当に選択して、抵抗分割の電圧を入力すれば固定サイズのPMOSとNMOSとで動作すると思います。
はい、分かりました。
上記のページ見ていただいたら分かりますが、この回路はシュミット・トリガを使っています。まずはシュミットの回路がいるな。でもトラ技の付属基板にもシュミットあったです。そいつをまずはシミュレーションしてみるかい。
回路図のエントリは段々慣れてきましたよ。付録基板にはLEDとか入力を安定させるためのプルダウン抵抗とか余計なものが入っているので取り除き、単体でシミュレーションしてみました。こんな感じ。
トラ技の付録DVDに書き込まれていたPDFファイル掲載のグラフによれば、VthH = 1.7V, VthL = 1.0Vらしいのです。上記のシミュレーションは、一応シュミット的な動作はしているのでありますが、スレッショルド電圧が大分違います。1Vに、0.6Vとといったところか。
うーむ、私何か間違えているか、それとも素性不明のBSS138のMOSモデルパラメータのせい?
分かりません。まあ、SPICE不得意、経験不足の人が、LEVEL=1とは言えMOSモデルパラメータの深みにはまっても沈んだまま浮いてこられそうにないので、
後で実機に聞く(そのための秘密兵器<アナデバ製>も注文してあるし)
ということで、とりあえず先に進めることにいたしました。
つづいて、ちょっとSPICEで発振させるところを確かめてみました。SPICEで発振回路が発振しない、発振して欲しくないものが発振する、なんていうようなこともあるからね。ちょうどトラ技5月号には、回路例あり
1Hz方形波オシレータ
P.76であります。間違いじゃありません。単位ついていない1Hzです。シミュレーション用の回路エントリがこちら。
発振したのですけれど、やっぱり周波数がかなり違います。0.7Hzくらい。「目標」の1Hzからすると3割方遅い。なんだかなー、トホホ。一応波形を下にキャプチャしておきます。まあね、波形の雰囲気は出ているんだけれども。
さて、いよいよ可変周波数オシレータを回路図エントリいたしました。
しかし発振せず
しかし、Araha氏は私が失敗することを見抜いていたのでした。ほえほえ。
P.69の回路は、シュミットインバータなんで、その出力にインバータを追加してください。
1段足りなかったのね。同相で戻したんじゃ、発振するわけない。私がバカでした。修正した回路がこちら。
こちらは、ちゃんと発振しました。適当にカーソルをあてて(カーソルが止まるのはグラフの中でもデータポイントの位置)
13.92kHz
くらいですかね。でも、シミュレーションといいつつ、前2つがかなり外れているから、この値は信用できないです。ま、後で実機に聞くと。
外付けのキャパシタのサイズを変えれば当然周波数も変わるのですが、この回路は、INのところに与える電圧で周波数が変わる、というところが「売り」なので、電圧を変更してみました。
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- 上の図では2V
- 下の図では1.5V
電圧さげると周波数下がりましたね。9.6kHzくらい。これも値は信用できないが、まあ、動作はしているみたい。
しかしね、そういえばSPICE、パラメータを自動でスウィープしながらDC/AC解析とかできた筈。やり方、完璧に忘れてます。勉強せねば。
でも部品と秘密兵器も来たことだし、また明日は半田付けかな。