特報 特許庁の特許
2020年4月28日(火) 特許庁長官が出願した特許が【特許番号】特許第6691280号(P6691280)、【登録日】令和2年4月14日(2020.4.14)、【発行日】令和2年4月28日(2020.4.28)として登録された。発明の名称は『管理システム及び管理方法』である。2020年5月4日現在、特許庁のホームページには、本件についての発表は無い。
本件は「失敗学」ではないのですが、特許庁の広報に訊いてみたい。
ということで、このカテゴリーで投稿します。
「特許の失敗学」の前回の投稿から2週間も経ってしまい、そろそろ新しい記事を書くべく調査していたのであります。特許庁は出願件数を増やすべく施策を繰り出しているので、当の特許庁は特許出願しているのか試しに検索したのです。J-PlatPatで、「出願人:特許庁」という超簡単な検索をしてみます。すると、ヒット件数が1件と出ました。
まさか歴史上最初の「特許庁の登録特許」なの?
ひょっとして特許庁が出願した登録特許は「世界初」?
特許・実用新案照会 特願2020-008423 にて詳細を確認すると謎は更に深まります。
(注) J-PlatPatの検索結果のリンク「特許・実用新案照会(固定アドレス)」です。特許のテキスト、PDF、および下記の審査経過情報にアクセスできます。
・出願日:2020/01/22 今年の初めです。
・特許出願と同日に、審査請求と早期審査請求を提出です。
・出願人は「特許庁」ではなく「特許庁長官」何故に?
・発明者には、特許庁長官「松永明」氏は含まれない。
・特許公報発行日が2020/04/28と早いのは、早期審査請求の結果。
・「早期審査に関する事情説明書」の開示は無し。
どうしてそんなに急ぐのか?
・【優先権主張番号】特願2019-139759 (P2019-139759)
【優先日】令和1年7月30日 (2019.7.30)
最初の出願は、昨年7月、1年6ヶ月以内なので現時点の公開はありません。
・代理人の筆頭は「青和特許法律事務所」の所長の「青木篤」弁理士。
この事務所は、弁理士約100名、弁護士6名を含む約300名の大手事務所。
特許庁は弁理士だらけなのに、なぜに外部事務所に委任するの?
・出願審査請求書は、請求人「特許庁長官」あて先「特許庁長官」
ある意味シュールです。
・当然ながら特許審査は特許庁の審査官が行いました。
特許審査では拒絶理由なしで特許査定されました。
・総じて、特許庁がこの出願をした目的は何?
▼経過記録
・審査記録
特許願 2020/01/22
出願審査請求書 2020/01/22
早期審査に関する事情説明書 2020/01/22
手続補正書 2020/02/06
早期審査に関する報告書 2020/03/02
特許査定 2020/03/10
要約不備職権訂正 2020/04/08
・登録記録
特許査定 2020/03/10
特許証 2020/04/28
▼出願情報
出願記事 特許2020-008423 (2020/01/22) 出願種別(通常)
登録記事 6691280 (2020/04/14) 総通号数(811) 年間通号数(200019) 公報発行日(2020/04/28)
国内優先権記事 特許 (2019-139759) 主張日(2019/07/30)
出願人・代理人記事
出願人 東京都千代田区 (718000266) 特許庁長官
代理人 対象出願人人数(1) 代理人(国内) 弁理士 (100099759) 青木 篤
代理人 代理人(国内) 弁理士 (100123582) 三橋 真二
代理人 代理人(国内) 弁理士 (100114018) 南山 知広
代理人 代理人(国内) 弁理士 (100165191) 河合 章
代理人 代理人(国内) 弁理士 (100133835) 河野 努
代理人 代理人(国内) 弁理士 (100180806) 三浦 剛
発明者・考案者・創作者記事
東京都千代田区 久々宇 篤志
東京都千代田区 後藤 昌夫
東京都千代田区 関口 明紀
東京都千代田区 西出 隆二
東京都千代田区 間野 裕一
東京都千代田区 目黒 光司
東京都千代田区 森口 忠紀
出願審査請求書 (特許出願2020-008423)
【書類名】 出願審査請求書
【整理番号】 DF194581
【提出日】 令和 2年 1月22日
【あて先】 特許庁長官殿
【出願の表示】 【出願番号】 特願2020- 8423
【請求項の数】 15
【請求人】 【識別番号】718000266 【氏名又は名称】特許庁長官
◆ Afterword
『チェック チェック ダブルチェック』 出典:クライマーズ・ハイ 横山秀夫
上記は、前回と同じであります。
「特報」の裏を取るべく、Googleさんに訊いてみても、何もヒットしません。
まさか本件は、Arahaが最初にブログ記事を書くの?
J-PlatPat検索したのは、昨夜(2020/05/03)ですが、あまりの驚きに、”Let me sleep on it”、翌朝落ち着いて検証してみます。
しかし、知財のニュースサイトにも「特許庁の特許」の記事はありません。
特許庁に電話してみますが、五月連休中で「平日におかけ直しください」であります。
特許庁Twitter https://twitter.com/jpo_nippon でも無言です。
新聞社は、こうした場合どうするんだろう。
「チェック チェック ダブルチェック」
「クライマーズハイ」の主人公の葛藤を多少なりと経験したのであります。
まあ、ここはマスコミではなく、ネットのブログであります。ご案内のとおり「信じるか信じないかはあなた次第です」ということでよろしく。