お手軽ツールで今更学ぶアナログ(12) AD22151 リニア出力磁界センサー

JosephHalfmoon
JosephHalfmoon

夏休みの工作?実験?シリーズということで、今回は、対象年齢6才以上「棒じしゃく」の登場であります。学童向けの各種文房具などを取り扱っているデピカ社製。ご時世か、トップページを拝見すると、フェイスシールドやら、除菌グッズなどが「推し」のようです。さて一方、これに対するのがアナログデバイセズ社のAD22151であります。オペアンプ応用のセンサ製品。

まずは、今回取り上げさせていただく、デバイスへのリンクを貼り付けておきます。アナログデバイセズの

AD22151G 磁界トランスデューサ、リニア出力

であります。「リニアホールIC」というべきカテゴリのデバイスです。これの分かり易い説明無いかな~と探してみたら、ありました。アナデバ社ではなく、AKM社なのでありますが、以下のページが分かり易んじゃないかと思います。勿論、AKM社も実績十分、今回は、たまたま手元にAD22151があった、ということで。

ホールセンサーのまとめ

上記のAKM社のページにホール素子の特徴が書かれています。引用させていただきます。

半導体膜に端子を付けただけのシンプルなセンサーなので、後段の回路設計によってデジタル的用途にもアナログ的用途にも使えます。得られる出力電圧は数十~数百mV程度です。

通常は永久磁石などをなにか機構部品にとりつけて、その位置を検出する目的に使われるのだと思います。リニア型は、位置に応じた電圧で取り出せる、と。AD22151の場合も、内部にホール・セルが存在し、それはチップの中心付近にあるようです。感度を持つ磁界領域の大きさは20ミルx20ミル(約5mm平方くらい)とあります。その「プレート」はエピタキシャル(気相成長)だとありますが、2重に重ねられており「直交サンプル」されているそうです。オフセットの相殺のためのようです。これを復調器(どのような復調しているのだか私は知りませんが)通し、オペアンプで増幅して出力しているようです。さらに、内部に温度センサ(サーミスタ)が内蔵されており、温度によってホール・セルに接続されている電流源を制御しているようです。小さな8ピンのICですが、なかなか複雑。

さて、その温度による補正は、ホール素子のためかと思うと、それだけではなかったです。このセンサに対する磁石もまた、温度の影響を受けるので、それを補正するための意味もあるのでした。磁石の温度変化については、ネオマグ社の以下のページが分かりやすかったです。

磁石の温度変化のお話

広い温度範囲(例えば車載や工業用途)で、位置を正確に知ろうとすると、補正は必須と。さて、アナデバ社のデータシートに戻ると、磁石により「温度特性」が異なるので、フェライト磁石であればTC1端子とTC3端子間に適切な抵抗を、アルニコ磁石であれば、TC2端子とTC3端子間にといった具合の指示があります。まあ、最近ではネオジム磁石などの強力な磁石がありますが、cmで測る程度の位置を知るための用途には、「お求めやすくて扱いやすい」フェライトとかアルニコで良いのだと思います。

ただね、デピカ社の棒磁石、「教材用なので磁力は弱く」してあるようです。実際、ネオジム磁石は強力過ぎて学童には危なそう。材質を見るとスチール、とあります。確かに単なる鉄の棒に見えます。。。

まあ、「夏休みの工作」という割り切りで、温度補正端子の「難しい」問題などは忘れ、テキトーに回路を組んで、まずは動作させてみることにいたしました。でも、データーシートを読んでいくと、先ほどの温度補正の端子も含め3個または、4個の抵抗値を決めなければなりません。多分、実用上は、何かに磁石を固定するので、磁石の向きが途中で変わったりしない筈なので「ユニポーラ」動作とて3個で良い筈ですが、今回は、棒磁石のN極、S極をひっくり返して近づけてみたいので、「オフセット」を与えて「バイポーラ」動作させたいので4個。ちゃんと勉強して値を「設計」すべきところ、以下のページの値を「参考」にさせていただきました(そのまま。)electronics-lab.comから

MAGNETIC FIELD SENSOR USING AD22151

です。回路図だけは自前で書きました。こんな感じ。

例によって、ブレッドボードに、AD22151を搭載したBOBを刺し、抵抗を配置し、そしてADALM1000(M1K)にご登場を願います。電源5Vでの動作であり、速度も速くないのでM1Kで十分かと。

測定には、M1KのAlice M1K Volt Meterを使ってみました。棒磁石をAD22151の表面から遠ざけたり、近づけたりしながら出力電圧を読み取ってグラフを描いてみました。NはN極側を近づけたとき、SはS極側です。

距離は、物差しで適当に読み取ったものなので、かなり不正確、電圧も目測1回なのですが、なんかそれらしいな。

しかし、データシート読んでいると、各所に「ガウス」書いてある。日本じゃ計量法?でCGS単位系のガウスは使えなくなって久しいのではなかったっけ。「テスラ」にしないと。

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