今回読ませていただくのは、アナデバ社(ADI社)のWeb記事、StudentZoneの2017年6月号でございます。開設から順番に全部読む(宿題もやる)と決めたので、早く回路実験ができる2017年末号へ到達しないかと気は焦りつつ、今週の進捗は1か月分。「忍耐」が説かれていたのでありますよ。
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さて今回読ませていただく記事へのリンクを貼り付けておきます。
以前、私が勧めた抵抗の使い方は、もうやめてください、Harry Holt著
ネタバレにならぬよう「なぜやめなければならないか」については触れません。この回の「真髄」を表す一文を引用させていただくとすれば、以下じゃないかと思います。
抵抗を付加するということは、ノイズを付加するということを意味します。
同じデバイス、同じ回路記号を目にしても、私のような「人生3分の2はデジタルだった」ようなものとは手練のアナログ設計者は見えるものが違うのでした。短い2ページの文書なのですがこれ以外にも含蓄の深いことが色々書かれています。気になったら一読をお勧めします。ただね、例の末尾の問題、この号は3問も出題されとるのです。いつもより多いです。それに宿題解くためにはこの号を読むだけでは済まされません(ノイズに精通したお兄さん、お姉さん方は調べ回らなくとも解答できるでしょうが。)なんか前より難しくなってないかい。それで以下のアナデバ社(ADI社)のアプリケーション・ノートを副読本的に読ませていただいてから、宿題に取り組まさせていただきました。
AN-358 ノイズとオペアンプ回路 Lewis Smith、DH.Sheingold共著
こちらは10ページあります。でもこれを読めば巻末問題3問は多分解けるでしょう。しかし、この10ページ、噛み応え(読み応え)あり過ぎです。まず最初にお断りがあります。
ノイズ現象を余りにも包括的または厳密に取り上げることは不適切かつ無益であると考え、
これを読んで、結構易しく、ホンワカしたところでふわっと教えてくださるの、と期待が高まりました。しかし3ページ目に行ってその期待は裏切られます。引用させていただきます。
その内容を理解することは容易ではありませんが、(中略)、忍耐強く慎重に読んでいけば、
お教えの通り読みます。しかし4ページ目にもまた
観察者の忍耐と提供されるデータの量に応じて
7ページ目に至りて
ここまで忍耐強くよんでいただきありがとうございます。これからさらに長い説明が続きます。
なんとか末尾まで一応読み通しはしましたが、全部はとても理解できてません。多分10%以下だな。ただ読んだだけの効果はあって、課題の答えにちょいとツッコミできるようになりましたです。まずは、課題(Quiz)の解答へのリンクを貼っておきます。
June Student Zone Quiz Solution
1問目、上の正解には1個しか答えが書いてなかったですが、AN-358を忍耐強く?読ませていただいたお陰で、答えは1個でないじゃない、ということに気付きました。多分、アメリカ人ならきっとツッコミ入れている筈と思ってこの記事の下の方を見てみると、掲載即解答したと思われる方がやっぱりツッコミいれてました。出題者はその指摘に “Yes-I agree” と答えています。これだけでもAN-358読んでよかった。
2問目は計算問題です。ボルツマン定数が出てくるので暗算は出来なかったですが、関数電卓あれば問題ありません。私でも正解でした。
さて3問目。私は不正解でした。以下ネタバレに近いのでご注意ください。2問目の計算結果が出たので浮かれて、何も係数掛けずにそのまま計算してしまった私はバカでした。でもAN-358を「忍耐強く慎重に」読んでいればちゃんと答えは出せたのです。その答えを出すための表が「観察者の忍耐と提供されるデータの量」に言及している4ページ目のまさに該当行の直上に掲げられておるのです。ちゃんとその表を参照すれば3問目も解けました。なお、そこでは合計8個の定数が列挙されています。その中に6と6.6のときの記載もあります。Quizの解答から引用させていただけば、
A factor of 6 is sometimes used here instead of 6.6, but ADI has standardized on 6.6
ああ、普通は6だけれども、アナデバ社(ADI社)は厳しめの数字6.6を採用するのだな。AN-358の表を見れば、そうすることで確率が3分の1になることが分かります。
流石だ、と感心しきりです。しかし、今回は「忍耐」「忍耐」で、疲れて1か月分で止めてしまいました。どうも
抵抗=ノイズ、実は忍耐
みたいです。およよ。。。