半導体不足が深刻化する中、僥倖というべきでしょうか。Raspberry Pi Picoにつづき、BBC micro:bit V2もゲットであります。NORDIC社製nRF52833搭載。桜田モモエ先生も連載小説に書かれていましたが、半導体不足のときは実需の何倍もの需要が現れて一気に品薄になるのが通例。しかし今回は中国勢の買い漁りもあり先鋭化でしょうか。しかし山高ければ谷深し、後の事を考えると難儀なことです。
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敬愛する桜田モモエ先生が、シリコンサイクルについて書かれていたのが、連載小説第27回のことでした。過去も繰り返されてきたことですが、いったん品不足という認識が広がると実需以上に注文が入るのが半導体業界です。お客にしたら部品を入手しないことには完成品の生産が止まってしまうので、あちらのルート、こちらのルートと注文を入れまくりです。そうして実需以上の注文が積み上がりブツが消えるのであります。しかし、あるとき気付けばお客の倉庫に部品在庫が積み上がり、パッタリ注文が途切れる、と。何度となく繰り返されてきたシリコンサイクルであります。ただ、今回はショートにいたる減産要因が世界中で発生しまくり、そこに政治的な要因も重なり、さらにはコロナにも翻弄され、という具合で普通のシリコンサイクルとはちょっと違う感じもいたしまする。
ともあれ、在庫不足で入手できないでおりました BBC micro:bit V2 、通常価格にて入手できました。ありがたい限りです。手元の micro:bit V1.5 では「不可」であった件について、この機材を投入の予定であります。まずは入手したパッケージの中身の写真を以下に掲げます。
本体ボード以外に、micro:bitのロゴのシール(何に使ったらいいんだろ?)、Get started という「小冊子」、そして “SAFETY GUIDE” が入っています。
“SAFETY GUIDE” は例によって、同じ内容が各国語で印刷されています。勿論、日本語もありです。その日本語部分を読みましたが、1点引っかかりました。「電池に関する警告」の中に書かれている使用できる電池は「アルカリ電池」と「亜鉛炭素電池」という記述です。亜鉛炭素電池って何だっけ?どうもZinc carbon batteryの直訳のようでした。一般的な日本語だとマンガン乾電池のことであります。
備忘のため、作業をするときに(できればその前に)読んでおくべきと思われる情報源を列挙してみました。ハードウエアの情報に関しては、以下の micro:bit developer community のSchematicsページから辿るのが良さそうです。
https://tech.microbit.org/hardware/schematic/
そこから辿れますが、実際の回路図(PDF)はGitHubの以下のところに置かれています。
microbit-foundation/microbit-v2-hardware
以下に micro:bit V2とV1.5を並べた写真を掲げておきます。まず正面から。左がV2、右がV1.5です。
ぱっと見、micro:bit のロゴの色が違いますが、何気にこれは「電気的な」違いです。V1.5以前では、エッジコネクタのところで「タッチセンス」できましたが、V2では、このロゴマークでも「タッチセンス」できるようになっているようです。そのため、印刷ではなく電極でロゴが書いてあると。また、エッジ部分、ワニ口で接続できる端子のところが湾曲しています。多分V1.5以前でワニ口がズレて隣の端子とショートしちまったぜ的な苦情があったのかもしれませんって。また細かいところですが、5x5のLEDアレイの右上のところにスルーホールが空いていますが、これは裏側のマイクにつながる孔のようです。
裏側(ボード的にはこちらが部品面)見るといろいろ違いが明らかです。
V2では中央に鎮座しているスピーカが印象的です。V1.5まではスピーカが外付けだったので、100円ショップのスピーカを外付けしていたりしました。これがボード上に取り込まれたので「表現力」が格段にアップした感じです。いろいろ違いがありますが。メインのSoCが変わっているのが最大の違い(ここに期待してV2買いました)
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- V1.5 nRF51822
- V2 nRF52833
V1.5のnRF51822では16KBしか搭載されていなかったRAMが、V2のnRF52833では128KBと8倍になっています。V1.5の場合、MakeCodeがサポートしているBLEサービス、RAMの制限で2個載せるのがやっとでした。こんだけRAMが乗ったら「全部載せ」できるんじゃないかと期待しています。ま、後でやってみます。
容量だけでなくコアも強化されていてArm Cortex-M0からCortex-M4Fになっています。もちろんノルディック社のメインである無線通信機能もアップグレードされていることは言うまでもありません。
SoCの情報は、NORDIC SEMICONDUCTORのInfocenterからダウンロードできます。ただちょっと残念なのが、nRF52833に関してデータシート的なものを探したのですが以下のものしか見つかりませんでした。
しかし、これはたった2ページのチラシ(展示会などで配るペラ紙のフライヤー的なもの。)
前世代のnRF51822については130ページのProduct Specificationがあるのと比べるとチップの公開情報少ないです。nRF52833用のSDKとかファームウエア、DKとか充実しているので、一般向けにデータシートなど配る必要無しという事なんでしょうかね。
入手直後の動作確認は、”Get started” の小冊子というかペラ紙見れば分かります。こんな感じ。
電池ボックスを接続すると、エンジンの起動音的にスピーカが鳴り、LEDマトリックスがいろいろ輝きます。まずはボタンを押せ、みたいな指示がでるので、ボタンを押し、次はShakeしろ、Tiltしろ、といろいろ言われます。その後はマイクをテストするために「柏手」打ちます。5回。ちゃんと拍手の回数を認識します。動作OKです。
次回はBluetooth LEの件、MakeCodeエディタを使い「ブロックを積みながら」で。