このところの、アナデバ社(ADI社)のWeb記事、StudentZoneを端から全部読む、巻末宿題も全部やる、ですが週一ペース。なかなか「お手軽ツール」での実験に辿りつけないどころか、いつ終わるのか覚束ないです。今週は2017年8月号。宿題は簡単。内容は「ツール」についての読み物2頁。でも何言っているか分からない?
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この号はWebツールの解説記事です。以下にアナデバ社(ADI社)のWebツールへのリンクを貼り付けさせていただきました。(不思議なことに解説記事内にはリンクが無いように見える。)
ブラウザから上記のWebツールページへアクセスし、例題のターゲットとなるデバイス「AD7124-8 24bit Σ-ΔADC」を選択したところのツールバーの様子をアイキャッチ画像に引用させていただきました。
このツールは、主としてADコンバータおよびDAコンバータを対象にした「仮想評価ボード」という位置づけです。まあね、ADコンバータなど「良いもの」になるとチップ1個で10万円を超えるようなものもあり、評価ボードもそれなりのお値段かと。なかなか本物の評価ボードを買ってから「駄目でした」とは言い難いじゃないかと思います。
記事を読み始める前の当方の期待としては、「Webツールでちょっと遊んでみて、いろいろ面白いことがあればハッピー」ってな感じであります。大体今回の記事も実質2頁だし、グラフとか多いので文章的には1ページくらい。読むだけならば一瞬で読めます。StudentZone記事へのリンクを以下に貼り付けさせていただきます。
Virtual Evalの活用法 –ADCに関する設計を仮想的にスタートする Christoph Kämmerer著
短い記事を読んで、巻末の宿題を読みました。今回の宿題に関しては読んだ瞬間に私でも解答が思い浮かびました。一応解答へのリンクも貼っておきますが、誰でも分かる問題じゃないかと思います。
August StudentZone Quiz Solution
実際、Vitual Eval「Webツール」を操作して、思った通りの動作をすることも確かめました。しかしね、正直このツール
たった2頁の記事読んで遊んでみれるほど簡単じゃない
と感じました(個人の感想です。)この記事から一箇所引用させていただくと
複雑なシステムは手に負えないと感じたり、どこから手を着ければよいものかと悩んだりはしていませんか
かなり真剣にADコンバータに向き合わざるを得ない人には一筋の光ともなる偉大なツールのようですが、私のような「遊んでみよう」程度の素人さんなど容易に受け付けない壁のように思われます。も少し勉強すべく、このWebツールのHelpボタンを押したら
短いビデオ
でした。うーむ、このボタン押したらこんなグラフがでるというのは端からやってみて分かるのですが、「ADコンバータを利用する上でのポイント」をまったく理解していない者にとっては猫に小判というべきか。まあね、マイコンにもADコンバータ搭載されています。最近では一般的な機種でも12ビットのSAR(逐次比較型)ADCが普通に搭載されています。大昔のマイコンじゃ、8ビットでもADC搭載されているだけでちょっとグレード高かったのに。でもね、記事の例題ターゲットにしているADコンバータ、24ビット品です。前々回のノイズの記事の巻末第3問で、24ビットADCの下6ビット以上も影響を受ける件を計算しています。そんなね、12ビットのADCをやっと使えるか使えないかのレベルとは違うんであります。
このWebツールがターゲットにしているデバイスかなり高級?
じゃないかという感じがします。このStudentZone、ちょっと前の号では「テブナンの定理」やっていたのに、一気にレベル上げすぎじゃないの?一応、ADI社のADコンバータのうち、このWebツールが対象にしているデバイスが多い、以下のセレクションテーブルへのリンクを参考用に貼り付けました。
High Speed A/D Converters>10MSPS
調べると上記のカテゴリには510デバイスあり、Webツールが上記カテゴリの中で対象にしているのは85でした。結構、勉強しないと使えないツールじゃないのこれは。。。何か他に資料ないかと探すとありました。
ADC向けのオンライン評価ツール「Virtual Eval」の活用法 Jason Cockrell, Tom MacLeord共著
こちらの方がStudentZoneの記事よりは説明が多いです。その冒頭に「想定するシチュエーション」的な記述が書かれています。1行引用させていただきましょう。
3杯目のコーヒーを机に置き、あなたはため息とともに束になった仕様書を手に取りました。
やっぱりこのツール、想定しているユーザ層のレベル「高い」じゃないかと確信しました(コーヒー3杯飲んでるから?)それに調べているうちに、ADI社はADコンバータ事前評価のためにWebベースでない(PCにインストールして使う)ツールも提供していることに気が付きました。
- ADIsimADC
- ADIsimCLK
- Visual Analog
上記のツールにつては、以下の解説を見つけました。
迅速な事前評価を可能にするADCモデリングツール Umesh Jayamohan著
ううむ、本格的なADコンバータを使おうと思ったら、私のような素人はADコンバータの基礎に立ち戻って勉強しないと歯が立ちそうにありません。
それどころか、上の ”Virtual Eval” ウェブツールは、どうもADI Precision Studioという一群のツールの一つでしかないようです。
左のメニューは Virtual Eval ツールの右肩のボタンから開けます。 こいつらの一つ一つがシミジミ分かったらきっと立派なアナログの人になれるのでしょうか?
見果てぬ夢だな。