忘却の微分方程式(57) 反復練習20、ジョルダン標準形への変換その1

Joseph Halfmoon

前回まで、「対角化」などを「それなりに手順」を踏んで行ってきました。今回のジョルダン標準形への変換はどうしようか迷いました。そのものズバリのJordan行列を扱うパッケージ diag をloadすれば、ほぼ1撃で変換できてしまう。まあ、出来ることをわざわざ刻むことも無し、お楽が一番。手順のみ確認させていただきます。

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※以下の実習は、みんな大好き Maxima の以下のバージョン(Windows)で行なっております。

    • wxMaxima 21.05.2
    • Maxima 5.45.1 (wxMaximaの裏で動いているMaxima本体)

※以下の参考書の「改訂1」版の演習問題を題材に使わせていただいております。

線形代数キャンパス・ゼミ 改訂9 馬場敬之/著

パッケージ disp のロード

今回は、上記のMaxima環境を立ち上げただけでは初期状態でロードされていないパッケージ disp を使用するので、以下のオマジナイが必要です。パッケージファイルはインストールディレクトリ内に存在するので特にダウンロード等の必要はないと思います。loadDiag

ジョルダン標準形(Jordan Normal Form)への変換

ジョルダン標準形への変換は実質1撃ですが、行列の形で観察しようとするとツーステップとなります。

    1. 関数 jordanに行列を渡すと「リストにエンコードされた」Jordan標準形が返ります。ただしこのリストをみても即座には行列の形は思い浮かびませぬ。
    2. 上記の「リストにエンコードされた」を受け取る関数がいくつもあり、その中のdispJordanにリストを渡すと、人間可読な行列形式で印字してくれます。

この辺の関数のマニュアル(日本語)は以下に。

51. diag

計算例が以下に。JordanA

上記で得られたジョルダン標準形の検算をするには、変換行列Pが欲しいのですが、上記では見えません。しかしModeMatrix関数に元の行列と「リスト」を渡すとPを求めることができます。ModeMatrixA

検算できました。

1回では寂しいので繰り返し

型にはめると単純です。別な例が以下に。ちょろい?

A1: matrix([-2, 1],[-1, 0]);
L1: jordan(A1)
J1: dispJordan(L1)
P1: ModeMatrix(A1, L1)
P1^^-1 . A1 . P1

上記の実行結果が以下に。

Jordan Normal Form

 

例は人手で計算できる2次でしたが、やっておられるのはMaxima様なので、3次、4次、何次であろうと疲れ知らず。計算はできるけれども、数学の勉強にはならず?

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