ユーロは相当昔からの気でいましたが、今回のサンプルデータセットの件で振り返ってみると紙幣の一般への流通が始まってからだと高々20年、年寄にはつい昨日であったのですな。今回のサンプルデータはその過程の1ステップ?統合前に参加各国の通貨の為替レートを固定化したときの換算テーブルであります。外積が出てくるの?意外ね。
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最近は急速に進む円安が問題になってます。私は個人的には為替でいい目を見た記憶が無いです。はるかな昔、円ドルが200円を超えるころに現地生活費をドルの固定レート契約で長期出張したところ、行っている間にみるみる円高、ちょうど最近問題の150円ほどになり、円レート換算で給料25%カットになった記憶もあり。上がれば下がる、道理ではありますなあ、何十年かぶりの。
euro
R言語のサンプル・データセットをABC順(大文字先)で端から眺めております。今回は “euro” とな。1998年12月31日に当時のユーロ参加予定国とユーロとの為替レートが固定されたときのレートです。今回のサンプルデータセットの解説ページは以下です。
Conversion Rates of Euro Currencies
データセット的には、euro と euro.cross という2つのデータセットに分かれているように見えますが実質的には一つのデータセットです。
当時のユーロ参加予定国の通貨とユーロの為替の表が euro で、それをもとにした各国通貨間のクロス表が euro.cross という関係です。含まれている通貨は以下のとおり
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- ATS、オーストリア・シリング
- BEF、ベルギー・フラン
- DEM、ドイツ・マルク
- ESP、スペイン・ペセタ
- FIM、フィンランド・マルカ
- FRF、フランス・フラン
- IEP、アイルランド・ポンド
- ITL、イタリア・リラ
- LUF、ルクセンブルグ・フラン
- NLG、オランダ・ギルダー
- PTE、ポルトガル・エスクード
実際に市中にユーロ紙幣が出回り始めたのは2002年の1月初からということなので、2002年頃まではフツーにフランとかマルクのお札が使われていたわけね。たしか引き出しの奥に使い残しのフランとかマルクがあるような気がしたのだけれど見つからず。まあ、そのうち紙の札そのものが無くなりそうな勢いですが。
まずは生データ
まずは生データを見てみます。”euro”をロードすると、euroだけでなくeuro.crossもついてきます。
大した大きさの表でもないので、生データ全体を見てみると、euroは1ユーロが各国通貨でいくら、という表。euro.crossは各国通貨間の換算表です。
処理例
今回の解説ページには処理例がついているのでその通りにやってみます。最初はcbindとな。横のものを縦にするだけ。やってみるとeuroをそのまま表示するより見やすいです。
続いて「検算」らしきものをしています。レートを固定化したときの定義から換算の有効数字は6桁らしいです。まずはeuroテーブルのどの通貨も6桁だよねと確認。その後 outer (外積)とってます。結果は、各国通貨間の換算テーブルとな。
いやあ、outer(1/euro, euro)の一撃で各国通貨間の換算テーブルができてしまうとは。私のようなものには到底思いつきませぬ。
つづいて、
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- 20ユーロをベルギー・フランに換算
- 20オーストリア・シリングをユーロに換算
- 20スペイン・ペセタをイタリア・リラに換算
してます。
計算した後は、グラフ化です。dotchartというのを使ってます。シンプルで見やすいかもです。
最初は1ユーロが各国通貨でどう表せるかとグラフ。「突出している」イタリア・リラのおかげで、イマイチなグラフです。
続いて逆数、各国通貨が何ユーロ相当なのか。ここではアイルランド・ポンドがダントツ、逆にイタリラ・リラは限りなくゼロに近いところに。これまたイマイチな感じです。
最後に常用対数をとってます。1ユーロを各国通貨に換算して常用対数をとると、いい感じでバラツキます。それでどうした、という感じだけれども。
それにしても外積一発で通貨の換算表を作ってしまうのは衝撃。自分じゃゼッテーに思いつきませぬ。