CD4016/CD4066はCMOS4000シリーズのアナログスイッチIC。古いデバイスとは言え定番、いまだに製造しているメーカもありです。今回動かしてみるHD14066はCD4066の端子互換品です。日立マークが燦然と輝く一品。何時の時代のチップだ?最近、1年以内くらいに仕入れた筈なのだけれども。在庫があったのね~。
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ZIFソケットでDIP-ICのテストをやる気になった?
DIPタイプのICは、何かと使いやすいので常備菜とて備えてあるのですが、実はそれほど出番がないです。でもここに来て急にやる気になったのは、以下の別シリーズ記事にて「DIP-IC用のテストヘッド」を作ってみたから。
帰らざるMOS回路(35) TC4520BP、4ビット・バイナリ・カウンタでリハビリ?
何のことはないデス。ブレッドボード上にZIFソケット(ゼロ・プレッシャー・ICソケット)を差し込んでみただけ。これだけで気持ちのスレッショルドが大幅に下がりました。簡単装着、確実な接触。
HD14066
HD14066は、シリーズ的にはCMOSロジックデバイスでありますが、「アナログ」スイッチです。P、N両チャネルのMOSFETが、同時に導通することで、ハイでもロウでも電流が流れるもの。単純な0、1のデジタル信号をスイッチしても良いのですが、アナログ信号を通過させても可(微妙な歪や、大きな電流を問題にするような用途はダメだけれども。)
なお14066という型番からは、オリジナルのCD4066というよりかはモトローラ版の14066のセカンドソース的な雰囲気が漂ってます。知らんけど。
今回は、スイッチONのときのON抵抗の値(Ron)を測ってみたいと思います。ぶっちゃけデータシートみたら書いてある数字ですが、実測すればDC的な特性のグラフもかけるっしょ。
因みに測定用の回路(回路というほどでもないすけど)は、以下の別シリーズ記事にて使用の回路のほぼほぼ流用。
お手軽ツールで今更学ぶアナログ(150) WaveForms、実験自動化最初の一歩?
「テストヘッド」に測定用のクリップを接続したところが以下に。ごちゃごちゃ。
実機測定結果
WaveGen1端子とGND間に振幅2.5V、オフセット2.5V、周波数100Hzの信号を印加しています。黄色C1はアナログスイッチの入力、出力端子間の電圧です。1DIV=500mVです。青色C2はアナログスイッチの出力端子に接続したロード抵抗100Ω±0.1%の両端の電圧です。こちらは1DIV=200mV設定。
以下はXYプロットにして、X軸をC1、Y軸をC2にしたものです。Y軸を10倍すればmA単位の電流として読み取ることができるので、ほぼほぼスイッチがONのときのI-V特性っす。
純粋な抵抗であれば完璧な一直線の筈ですが、1チャンネルあたりP,Nのトランジスタ合計6個がからむMOSスイッチなので、直線に近いとは言え微妙に歪んでいるみたい。
中央のX軸=1.95V付近の抵抗値で309.5Ω。右端に近いX軸=2.95V付近で、213.8Ω、左端に近いX軸0.45V付近で255.6Ωと計算しました。データシート的には、25℃ typ. にて 250Ω と記載されておりました。まあいいんでないかい。何の根拠もない単なる感想だな。