ジギタリスという植物あり、心臓病に薬効あるとて民間療法で使われていたものが、お薬になって現在にいたっているみたい。しかし副作用もまた多く、近年では使われなくなりつつあるみたいです。さてそのお薬の何を調べたのかはまったく不明ですが、今回のデータセットはそのお薬を飲んだであろうオス猫様の体重と心臓の重さのデータです。
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R言語向けのパッケージ boot には、サンプルデータセット多数が含まれております。それを ABC順に「舐めて」ます。今回のサンプルデータセットはcatsMとな。
ジギタリス
植物(毒性あり)としてのジギタリスについては、厚生労働省様の以下のページに書かれております。
上記を拝読するに、慢性心不全の治療薬としての「ジゴキシン」そのものはジチタリス属品種に含まれているものの、ジギタリスと呼ばれるお花を愛でる植物には含まれておらんようです。それでも近い成分含まれるジギタリスは有毒、心臓に作用するので、重症になると心臓が停止すると。
薬としてのジギタリスの現況については、公益財団法人 日本心臓財団様の以下のページに書かれております。
お花のジギタリスから、ジギタリスの薬効、そして現状まで楽しく読めるのが、鹿児島徳洲会病院広報誌 2018春号、山室先生の以下の記事であります。
Weight Data for Domestic Cats
今回のサンプルデータセット catsMのタイトルは以下です。
Weight Data for Domestic Cats
直訳すると「家猫の重量データ」とでもすると良いのかしら。どこがジギタリスに関係あるというタイトルですが、不穏なのが重量というのは、体重だけではなく、心臓の重量も含まれていることです。おっと、解剖しちゃった結果?データセットの説明には何もかかれてません。お猫様ファーストの昨今の世の中的にはアウトなデータかもしれません。しかしデータが取得されたのは第2次世界大戦もさなかの1940年代であったようです。ジギタリスについてどういう考察をするためのデータであるのかまったくもって不明なのですが、1940年代に医学の発展に身を捧げたお猫様がおられると。。。
catsMは、実験に使われた?144匹の成猫のうちオス猫のみ97匹のデータです。それで”M”ってことみたいです。データとしては性別の欄があるのですが、全てMのみ。他の欄は体重[kg]と心臓重量[g]のみ。なお、フルのデータセットは catsMではなく、MASSという別パッケージに含まれているらしいです。
先ずは生データ
体重的には2.0kgから3.9kgまで、心臓の重さ的には6.5gから20.5gまで。最近の日本の家猫様はもっと重いような気もするけど。心臓の重さってそんなものなのね。。。ジギタリスが作用した結果だろうから健康体とは違うのかも知れんけど。
闇雲に処理もどき
サンプルデータの処理例などもなく、体重と心臓重量のみのデータなのでどうしてよいやらサッパリです。仕方がないので、体重に対する心臓重量の割合を示すカラムを追加した作業用のデータフレームを作ってみました。こんな感じ。
catsM.work <- data.frame(catsM$Bwt, catsM$Hwt, (catsM$Hwt/catsM$Bwt)*0.1) colnames(catsM.work) <- c("Bwt", "Hwt", "HBratio")
再びsummaryとってみると、心臓重量の割合は体重の約0.3%から約0.5%くらいなのね。
つづいて体重と心臓重量についてプロットにしてみます。一応、線形な回帰直線も書き加えてみましたです。
library(ggplot2) g0 <- ggplot(catsM.work, aes(x=Bwt, y=Hwt)) + geom_point() g1 <- g0 + labs(title="catsM", x="Body weight[kg]", y="Heart weight [g]") g2 <- g1 + geom_smooth(method="lm", formula=y~x) plot(g2)
まあ、体重と心臓重量に正の相関がありそうだ、というのはほとんど必然だと思われます。しかし以下のグラフみると相当バラツキが大きい感じ。
ジギタリスとの関係が知りたい。