アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の日本語記事、月の下旬になるとアップされるみたいです。今回もアップされたので見に行ったら2023年9月号でした。前回は7月号でした。8月号はどこへいったの?そういうこともあるということで今回はADXL327加速度センサで静的な傾きをチェックしてみるの回です。
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アナデバ様のStudentZone 2023年9月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。
去年も一昨年も8月号は存在したのですが、2023年は8月号が不作みたいっす。今回は9月号の実習その1ということで。分量少ないのに刻むなあ。
ADXL327
本サイトでも3軸加速度センサは使ったことがあります。しかし今までのセンサはみなデジタルでした。測定値をI2Cなど使って読み取る方式のもの。一方、今回実習のアナデバ製ADXL327は出力がアナログです。X、Y、Zの軸毎にアナログ値を出力すると。
3V電源で動作させた場合、加速度が加わっていない状態でほぼ2分の1電源電圧、1.5Vを出力。加速度1gの印加に対してTYP. 420mVを出力という塩梅です。アナデバ様の製品ページが以下に。
ADXL327 加速度センサー、3軸、フルスケール±2g、小型、低消費電力
内部的には、ポリシリコンのレイヤをMEMS加工したセンサみたいです。X、Y方向は対称みたいですが、Z方向はメカ的な構造が異なるみたいで微妙に特性が異なるみたい。でもま、上記のようなアナログ出力が出るということではXYZ全て一緒だと。
デジタルなセンサだと設定値を入力したり、読み出した結果を補正かけたりとかマイコンの出番がありますが、このセンサはアナログ出力です。電源入れればハードのみで完結(するように回路を組む。)ヘビーデューティだな。
ブレークアウトボードのピン配はフツーにDIP
さてADXL327は表面実装部品ですが、アナデバ製学習パーツキットADALP2000所蔵のADXL327は例によってDIP型のブレークアウトボードに搭載されています。以下がそれです。
毎度毎度、StudentZoneの記事内の実体回路図上のブレークアウトボードのピン配とADALP2000所蔵のブレークアウトボート現物のピン配が鏡対称、実体回路図だめじゃん、などとディスっていてすみません。今回に限っては
実体回路図上のピン配と現物ピン配が一致
してます。お初。でも実体配線図どおりには配線してないケド。
実習前半、2軸の傾きを検出
今回は実習1回目ということで、単純にセンサに「電圧計」を接続して、傾きを電圧変化として検出できることを確認するだけです。ADXL327ブレークアウトボード(BB) をブレッドボード(BB)状に載せたところが以下に。
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- 水平においてみた
以下は水平に置いたときの電圧測定値です。加速度としては地球重力のみ。Channel1がX軸、Channel2がY軸です。電源電圧は3V
上記は、微妙に水平でていないかも知れないです。机の上で水平に置いているつもりなのですが、置く方向を変えると微妙に値が異なります。傾いているのか?正確に測定するには別なレベルメータで水平出さないとダメか?
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- X軸プラスを地球中心に向けてみた
Channel1に注目です。Channel2は理想的には変化なしだけれども手でブレッドボードを「縦」にしているだけなので、微妙。
水平のときとの差は-384mV、仕様的には1gあたり最小378mV、最大462mVであるので、スペック内に収まってはいます。
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- X軸マイナスを地球中心に向けてみた
今度は逆方向にブレッドボードを立ててみました。結果はこんな感じ。
水平の時との差は+403mV、これもスペック内。
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- Y軸プラスを地球中心に向けてみた
水平のときとの差は-389mV、スペック通り。
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- Y軸マイナスを地球中心に向けてみた
Y軸反対方向。
今度は+405mV、これまたOK。ADXL327センサ、動作しておりますぞよ。