前回、RLローパスフィルタの周波数特性がシミュレーション結果と違う件を追求しました。なんのことはない、シミュレーションで使う理想的なL(インダクタンス)と違い、現物デバイスには「見えない直列抵抗(ESR)」が隠れているためでした。今回はRCローパスフィルタの現物の周波数特性の合わない件を追求。結局、同じ原因ね。トホホ。
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「理想」シミュレーションの結果、再々掲載
まず比較のため、「理想」デバイスのときのLTspiceシミュレーション結果を再々掲載いたします。先に回路ね。
そしてシミュレーション結果です。RCローパスフィルタのシミュレーション結果(黄緑)はRLローパスフィルタのシミュレーション結果(灰色)とピタリと重なってます。赤はRLCなので今回は無視してくだされ。なお実線が振幅(Y軸目盛りは左)、点線が位相(Y軸目盛りは右)。
現物RCローパスフィルタの周波数特性
以下は、現物C1=10μF、R1=6.9Ωで構成した回路の周波数特性を測ったものです。
前回のRLのときの「ハズレ」方とはまた違った感じね。
電解コンデンサ(10μF)の直列抵抗
今回実験では、C1(キャパシタ)には10uFの電解コンデンサを使ってます。AD2のインピーダンス測定モードで現物の直列抵抗Rsを測定してみました。結果はこんな感じ。
ちょっとガタガタ言っているけども、だいたい600mΩくらいはあるんでないかと。
再シミュレーション
上記のLTspiceシミュレーションで計算できたRCフィルタのカットオフ周波数が以下に。
そして再シミュレーションの周波数応答が以下に。RCフィルタの応答は赤の線です。実線が振幅、点線が位相です。
赤の実線は-21dBを下回ったあたりで下げ止まっておるし、位相は途中で戻ってきている?実機とほぼほぼ一緒だわ。ホントか?
そもそもR1、R2に直列抵抗に直ぐに影響されるような小さい値を当てはめてフィルタ設計しているのが悪い、ってことですが。知らんけど。