お手軽ツールで今更学ぶアナログ(195) トランス結合アンプその1

Joseph Halfmoon

アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の2024年5月号(和文版)の1回目です。4月号の第193回はコレクタにLCタンク回路を接続した同調アンプでした。今回はコレクタにトランスを接続した「トランス結合アンプ」です。初回なのでまずはLTspiceしてみるべしとやってみましたが、なんじゃらほい?

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※学生でもないのに勝手に実習をさせていただいておりますアナデバ様の記事(日本語版)が以下です。アナデバ様的にはアナデバ製ADALM2000ツールを使って実習せよ、との記事ですが、当方持ち合わせなく、Digilent製Analog Discovery2(AD2)利用であります。

ADALM2000による実習:トランス結合アンプ

LTspiceでのトランスのモデリング

LTspiceにはトランスというシミュレーションシンボルはありません。必要な数だけインダクタンス(L)を並べて、そいつらを相互コンダクタンス(K)で結合するスタイルです。最近、別件シリーズの以下の回でトランスのLTspiceシミュレーションを練習してみています。

定番回路のたしなみ(51) Rectifierその3、トランス式単相全波整流回路

その余勢を駆って?今回のトランス結合アンプもシミュレーションをしてみることにいたしました。回路図が以下に。TCampCircuit

2つのインダクタンスL1、L2の上に書かれている「K1 L1 L2 1」こそが相互コンダクタンスの定義です。K1によってL1、L2は結合されているので、コイルには極性を示す○印が表示されています。結合されてる証拠だね。なお結合定数は1です。2つのコイルは理想的に結合されてて漏れてるような磁束は無いテイです。

コマケー話なんだが申し上げたき儀これあり

アナデバ様の元記事の図2に「実体配線図」があるのですが、その上の方にあるコンデンサ 10nFと書かれてますけど、10μFの間違いではないかと?地の文章や他の回路図には10μFと書かれてますで。コマケー話なんだが。

当方シミュレーション結果と記事の記述がイマイチ適合する気がしない

上記の回路についてのお惚け老人のシミュレーション結果が以下に。まずは周波数特性(AC解析)TCampCircuitASIM

そしてトランジェント解析の結果(入力は、50mV振幅、0Vオフセット、5kHzの正弦波。)黄緑が入力波形、青っぽいのが出力波形っす。TCampCircuitTSIM

上記のシミュレーションでは、元記事の0Vオフセット、500mV振幅100Hzの正弦波入力では、図3に掲げられているような波形が出てこない気がするのですが。。。実機で確かめよ?ちょっと時間がないのよ、今日は。

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