お手軽ツールで今更学ぶアナログ(197) アクティブ・フィルタPart 1の「その1」

Joseph Halfmoon

アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の2024年6月号(和文版)の1回目です。「アナログ・フィルタ」の実験。アナデバ様的には6月号がPart 1、7月号がPart 2と2回に渡ってます。でもPart 1だけでも「いろいろ多い」ので当方の今回はPart 1冒頭の「一番プリミティブなやつ」1個のみ。

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※学生でもないのに勝手に実習をさせていただいておりますアナデバ様の記事(日本語版)が以下です。

ADALM2000による実習:アクティブ・フィルタ【Part 1】

アナデバ様的にはアナデバ製ADALM2000ツールを使って実習せよ、との記事ですが、当方持ち合わせなく、Digilent製Analog Discovery2(AD2)利用であります。

ゲインの制御が可能なアクティブ・ローパス・フィルタ

最初の回路は、パッシブRCフィルタの先にオペアンプOP27を使用した非反転増幅回路をとりつけた回路です。シンプルなパッシブ・フィルタとカットオフ周波数は変りませぬ。所定の定数で計算すると

fc=15.915kHz

とな。だだし「アクティブ」というからにはゲインAを稼ぐことができ、予定のゲインは、

A=10

です。

LTspice 回路図が以下に。ActiveFilterLPF01

上記のシミュレーション結果が以下に。ActiveFilterLPF01_SIM

なお、上記の縦軸は1V振幅を 0dBとしています。でもAC解析の振幅設定は200mV(電源±5Vなので不用意に大きくできない)としています。元々の入力振幅が5分の1なので対入力(後の実測グラフがそう)で言うと+14dBしてちょ、ってこってす。

現物回路

ブレッドボード上に組み立てた現物回路が以下に。ActiveFilterLPF01_BB

上記回路で測定したボード線図が以下に。こちらの方は対入力で縦軸のdB計算しているので通過域のゲインは20dBです。またカットオフ周波数は17kHzをちょいと超えてますな。ActiveFilterLPF01_WAV

まあ、遠くからみたらシミュレーション結果と「似た感じ」なのでいいか。いい加減だな、いつものことだが。

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