アナログ素人老人が一度も使ったことの無かったステートメントの一つが .NET ステートメントです。「ネットワーク・パラメータ」を計算してくれるもの。インピーダンス(Z)にアドミタンス(Y)、ハイブリッド(h)、恐ろし気なSパラメータもありーの。FとかGとかもあったような気もする。LTspiceで計算できるのだと。
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※ Analog Devices, Inc. LTspice を使用させていただいて動作確認しております。今回使用のバージョンは以下です。
XVII(x64) (17.0.37.0)
『Sパラ再入門』
Sパラどころか、「4端子回路網」素人のお惚け老人が、今回お世話になりましたのは、『広島大学 天川修平』様の以下のドキュメントです。
見るからに恐ろし気な「Sパラ」を中心に解説されておられますが、その他のパラメータ共に対しても一通りの説明はあり。感謝感激であります。ちゃんと読み切ったアカツキには(まだ読み切れてないけど)立派な人になれるような気がします(読んだそばから忘れる忘却力の年寄には過ぎたる希望か?)
.NET ステートメント
今回使用してみますLTspiceのステートメントは .NET です。
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- .AC 解析時に有効(.AC ステートメントと併用しないと意味ない)
- 2ポートネットワークの入出力インピーダンス、アドミタンス、Zパラメータ、Yパラメータ、Hパラメータ、Sパラメータを計算してくれる(対1ポート計算も可能。)
そういえば、Gパラメータ、Fパラメータ(ABCD; 4端子定数)などというものどもも居た気がするのです。しかし朧げな記憶によると、そいつらは他のパラメータから換算できたような気がするので、「適宜、自分で式を組み立て」てねということじゃないかと勝手に想像します。
.NETは .AC の「御供」みたいなステートメントでとても控えめです。ただシミュレーションかけただけではアカラサマに結果が示されることもありません。
今回シミュレーションに使った回路とその結果
今回練習の題材にした回路は、別シリーズにて「アクティブ・バンド・ストップ・フィルタ」の練習をしたときにその一部としてつかった「アクティブLPF」です。回路としてはこんな感じ。
上のプレインに表示可能なトレースが列挙されてます。これは .NET無の .AC のみのときの様子です。
上記に対して .NET のコメントを外して有効化した場合が以下に。
Outノードのシミュレーション結果にはまったく差異はなさそうなのだけれども、表示可能な「トレース」が爆増してないかい?拡大するとこんな感じ。
.AC だけのときより、増えてる部分に黄色のマーカを引いてみました。Hxy、Sxy、Yxy、Zxy、Yin/Yout、Zin/Zout といった者共が増えとりますな。
お惚け老人は覚えきれないので、以下の図を描いてみました(あってるのか?知らんけど。)
なお、Sパラメータのa, b には、振幅をとるお家流と実効値をとる流儀の両方があるみたいです。どちらにせよ「比」なので単位はつかんのだと。恐ろし気よな。
「とりあえず」Zパラメータ(インピーダンス)をLTspiceにグラフ化してもらったところが以下に。
まあ、計算できるってことは分かった。それだけかい?