
LTspice配下のExampleフォルダ内Educationalフォルダ所蔵の回路図を経めぐってます。前回は ISO 16750-2、車載デバイスの電源波形の規格でした。今回は ISO7637-2、ノイズ波形の規格です。こんな波形が入力されても保護回路で大丈夫な線までなんとかしろよ、ってことでしょうけど。キビシー。
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※アナログデバイセズ社のLTspiceのガイド、ヒント、便利な情報については以下へ。https://www.analog.com/jp/resources/design-tools-and-calculators/ltspice-simulator/ltspice-recommended-reading-list.html
ISO7637-2
今回拝見させていただきますEducationalフォルダ所蔵の回路図のファイルは以下です。
ISO7637-2_example.asc
今回もGoogleの生成AI、Gemini 2.5 Flash様にかいつまんでいただきました。こんな感じ。
さて、前回もURLを引用させていただきましたが、御本家アナデバ社でもLTspice向けにこの規格の解説記事を出しておられます。以下は日本語版ページへのリンクです。
LTspice:ISO 7637-2/ISO 16750-2で定義されたトランジェントのモデル
今回の回路
今回も前回と構成は変りませぬ。印加すべき波形を生成するモデルがおいてあるだけであります。これで生成した波形を「適切な保護回路のモデル」に印加して、大丈夫かどうかシミュレーションで確かめとけ、というご主旨だと思います。実機作って実験して「あれれ、大失敗」とか言うなよなという思し召しでしょう。デフォルトの回路図が以下に。
上記は、Pulse 1という「電源への接続が遮断された際、誘導性の負荷に並列に接続された電子回路(機器)で観測される負のトランジェント」をモデル化した波形(12V車用と、24V車用)を発生するものです。
前回同様、この1種類だけではなく、プルダウン・メニューで 規格で定義されている Pulse X に切り替えることができます。こんな感じ。
シミュレーション結果
回路図のデフォルト設定波形が以下に。
左側の縦軸、電圧目盛りをよく御覧じろ。こういうパルスが何百回も印加されても、問題ないと跳ね返せないとダメみたい。キビシー。