前回につづき今回もMOSトランジスタです。前回はダイオード接続でしたが、今回はソース接地回路。王道?のアンプ回路ですな。淡々と回路を組んで実験するだけ、と思っていたら今回は自分で定数決めるところが多くて突き放されてる?感じがします。バラツキもあるし、そろそろ自立しろってこと?
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「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の今回は2020年5月号です。2021年も押し詰まっているというのに、進捗は1年半以上遅れておりますな。頑張って追いつかないと。
さて今回記事(日本語)へのリンクは以下です。
ADALM2000による実習:MOSトランジスタで構成したソース接地回路
タイトル的にはアナデバ製のアナログ学習ツール ADALM2000 を使って実習しろ、ってことでありますが、当方、Digilent製のAnalog Discovery2で代用させていただいとります。すみません。実験用に使用する部品はアナデバ製のADALP2000アナログパーツキット使っておりますので許してくだされ。
今回も記事末に問題があり、そして対応する解答(英語)もありました(時々解答編が無いこともあり。)
May 2020 StudentZone Quiz Solution
今回の解答編、特に計算のお答えが載っているわけでなく、言葉での解説のみです。しかし、アナログ素人の私メにも腑に落ちる感じがありましたぞ(個人の感想です。)
恐れ多いことだが
アナログの権化のアナデバ様には誠に恐れ多いのでありますが、今回も申し上げたき事があり(勝手に書いているだけで申し上げてはいないのだけれど。)今回は2つ掲載されている実体配線図についてです。
第1は今回の「メインディッシュ」であるMOSトランジスタ ZVN2110Aの図について。カマボコ型の丸い面を背中に、平な面を手前に向けて描かれておりますが、この向きにブレッドボードに刺すと、図に書かれているソース、ドレインが逆になってしまいますぜ(見れば分かるだろ~、コマケー事気にすんなよ自分?)
第2はオシロのCH1端子の位置です。回路図を見るとW1と同じところに接続するように描かれております。本文中にも「W1の出力を表示するように接続」と書かれています。けれど実体配線配線図の「1+」端子の位置は分圧回路の真ん中につながってますぜ(見れば分かるだろ~、コマケー事気にすんなよ自分?)
MOSトランジスタの回路記号が気になる、今頃になって
アイキャッチ画像に掲げた回路図(水魚堂さんの回路図エディタ使用させていただいとります。ありがとさんです。軽くてらくちん)と、アナデバ様の回路図を眺めていて引っかかったのが、MOSトランジスタの回路記号ですな。同じ Nch. MOSなのに流儀が違います。
調べてみると、EDN JAPAN誌 の以下の記事は水魚堂さんと同形式でした。
同じくITメディア傘下に入っている EETimes Japan誌 の記事ではアナデバ様方式でした。
さらに書くと、JIS C 0617(IEC60617)の記号は上記のどちらとも違うみたい。はたまたCQ出版Interface誌方式もまた違うみたい。なお、ここまでは全て矢印使うことは共通。
なんだかな~。私が40年以上前に新入社員で入った会社は「矢印かかない、サブ(ストレート)も(特殊なケースのぞき)かかない」会社で、上記全てと違いましたな。パワー系、アナログ系、デジタル系、LSIの中身とディスクリートでMOSトランジスタの扱いかたも大分変ると思うので、その描き方の流儀もいろいろな気がします。コマケー事は気にせずに、どの描き方でも受け入れませう。
動作確認
いつもであると、実験手順のところにRxの抵抗はxxオームという具合に指示が書いてあるのです。その通りにすれば「動くはず」なので何も頭を使わないので楽ちん。しかし、今回は抵抗の値書いてないです。可変抵抗もあり調整しながらということもあるでしょうが、トランジスタのバラツキもあるし、実験しながら自分で選べということみたい。
結局、頭を使わず、手だけを使って「伝統の」試行錯誤法をつかって設定してみたのが冒頭のアイキャッチ画像の定数です。実は先ほど文句を垂れた実体回路には抵抗にカラーコードが描かれており、これを参考に決めていきました。ただし実体回路図のままの値だと電流が流れ過ぎてAnalog Discovery2の電源が追いつかないようでした。その辺を適当に「塩梅」したものであります。
冒頭の図面にVp=5V、Vn=-5Vの電源を与えたものが以下です。バイアスはテキトーに良さげな波形が出るように調整。黄色のC1が波形ジェネレータで与えている入力波形、振幅1.5V、オフセット0V、1kHzの正弦波。青のC2が出力波形です。増幅されてます。ただ、波形をみると正弦波になり切れてない感じ、ちょっと歪んでます。
出力ではなく、MOSトランジスタのゲートにC2(青)を接続したもの。こうしてみると35倍くらいの増幅率か。
続いてはソース・ディジェネレーションの追加です。この追加の理由が列挙されていました。引用させていただきます。
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- 使用するトランジスタによるバラツキ
- ゲインが温度とバイアス電流に大きく依存し、予測困難なこと
- 入力ダイナミックレンジが狭く、制約を超えると大きな歪みが生じる
ということで、ソースに可変抵抗を追加。なおソース・ディジェネレーション付き回路では、Vn=-5Vを使わず、GNDで動かしていたので、その変更もいたしました。
ソース・ディジェネレーション追加した回路の動作が以下に。電源系が変わったので出力の出方が変わってます。バイアス、ゲインともテキトー調整。