お手軽ツールで今更学ぶアナログ(72) NPN、エミッタ接地回路 その1

Joseph Halfmoon

前回はNch MOSトランジスタのソース接地回路でした。今回はNPN バイポーラトランジスタのエミッタ接地回路です。似たような回路構成ではありますが、なんか実習の分量が多くね。とても1回では収まりそうにありません。前回同様、自分で回路の抵抗値を決めてねと突き放されている感じ。でもSPICE使って良いのね。

2022年「あけましておめでとうございます」なのですが「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の今回は2020年6月号です。今回はアナデバ様の1回の記事を複数回にわけて実習してみるので、なかなか追いきそうにありません。

さて、アナデバ製のお手軽アナログツールADALM2000で実習しろ、ということになっている記事は以下です。

ADALM2000による実習:NPNトランジスタで構成したエミッタ接地回路

いつも書いてますが、当方ADALM2000は所持しておらず(M1Kは所持しとります)、「似た」Digilent Analog Discovery2を所持しておりますので、それで代用しとります。毎度すみません。でも実験用に使用する部品はアナデバ製のADALP2000アナログパーツキット使っておりますぞ。

今回記事はLTspice使っていた

今回のアナデバ様の記事中のグラフは全て LTspiceによるシミュレーションで描かれています(実機グラフは無し。もしかして実機ADALM2000を動かしてない疑惑あり?)ということは、私も

LTspiceで回路定数を決めても良いよね

ってことですかい。数回前から、そろそろ自立しろということか、回路中の抵抗値の指定がありません。自分で「適切に」決めろ、という感じ。前回は実機を使って「伝統の試行錯誤法」により、それらしい値を決めました。ちゃんと計算して決めるのがお勉強ですが、なかなか辛い。でもLTspiceに「計算」をお任せしてしまえばらくちん。

最初の実習の回路をLTspiceしてみたものがこちら。そんないい加減で良いのか。

CommonEmitter2N3904_01
そのシミュレーション結果が以下に。記事の中のグラフと大体似ている(似せるように設定したつもり。)

CommonEmitter2N3904_01SIM
回路定数決定したので、ブレッドボード上に回路を組みました。こんな感じ。この回路にAnalog Discovery2を接続したところを冒頭のアイキャッチ画像に掲げました。
2020JUN_DUT

可変抵抗を「ほぼ真ん中」辺においた実機の動作が以下です。黄色のC1が、シミュレーションの赤、水色のC2が、シミュレーションの青に対応です。まあ、だいたいいいか。。。いい加減だけれど。

CommonEmitter2N3904_01TIM
当然なのですが、可変抵抗を操作すると出力波形は大きくかわります。まずは、出力のピークが1.5V付近になるように調整した実機が以下に。

CommonEmitter2N3904_01TIM2
上の実機動作と「ほぼほぼ」同じようなグラフがでるように「調整」したシミュレーションが以下に。

CommonEmitter2N3904_01SIM2
そのシミュレーション時の回路は以下です。トランジェント解析のパラメータもちょっといじってます。

CommonEmitter2N3904_01_2続いて、出力波形のピークが5V近くまでくるように調整した実機の様子が以下に。

CommonEmitter2N3904_01TIM3
上の実機結果と同じような結果が出るようにしたシミュレーションが以下に。
CommonEmitter2N3904_01SIM3

そしてそのときのシミュレーションの回路が以下に。

CommonEmitter2N3904_01_3

当然といえば当然なんでございますが、シミュレーションと実機の様子、対応とれてるように見えますわな。こんなペースであれば、次回もテキトーに定数を決めて(そんなことでいいんかい)実験ができますな。そんなこっちゃ全然勉強にならん気もするが。今年もよろしくお願いします。

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