前回、前々回と(柄にもなく)真空管のマクロモデルを動かしてみました。真空管の増幅回路を拝見すると必ず登場するのがトランスです。電源だけでなく、入力、出力、一本の「玉」にもヒータに信号にと大活躍。そういえばトランスのLTspiceシミュレーションってどうやるのだったけ?もしかして使ったことないかも。
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トランスをLTspiceするやり方
LTspiceの御本山、アナデバ社の以下のページへ行けばLTspiceでトランスをシミュレートする方法が見つかります。ステップは123じゃなくて1234の4段階ですが、短い記事でシミュレーションに必要な事柄は網羅してます。
ライブラリを探してもトランスという部品はなく、インダクタンスをKステートメントで結合すればトランスは作り放題?だと。一か所引用させていただきましょう。
Kステートメントの最後のエントリは結合係数です。この係数は0から1の間で変化し、1は漏れインダクタンスがないことを表します。実際の回路では、結合係数を1から始めることを推奨します。
実際の結合係数など、トランス素人には分かる筈がありません。まあ、アナデバ様のことです、深く知ろうとすれば 石井聡先生 が以下のページを書かれてます。これを読めば(ちゃんと読んでないケド)、きっとトランスなど自由自在(ちゃんと読んでから書けよ、自分。)
TNJ-028:トランスのM結合とはナニモノでどのように測るか 前編:理論とシミュレーション
さてシミュレーション
理解はしておらなくても、楽しいシミュレーションはできます。インダクタンスを2個以上もってきて、その間をKで始まるステートメントで結合してやればトランスになります。こんな感じ。
そのときいくつかポイントがあり、最初はKステートメントで結合した各LのDCRです。これが0だと上記のL1のように電圧現に接続するとエラーになるのでテキトーな値の設定が必要みたいっす。なお、右クリックで開く設定画面ですが、普段単独のインダクタを開くと、
Inductor L1
みたいなタイトルになっているのに、Kステートメントを入力して複数のインダクタを結合した瞬間に以下のように Transformer Winding などと変わります。トランスしてますね。
また、いつの間にか巻き線の方向を示すシロマル印も現れているので、所望の向きになるように部品を「フリップ CTRL-E」「ローテイト CTRL-R」して配置します。巻き線数を直接入力するわけでなく、巻き線数比の二乗となるように各Lのインダクタンスの比を入力するっと。計算メンドイ?
上記回路のトランジェント解析結果が以下に。黄緑がvin、青がvout1の波形です。
いやあ、これみるとそれぞれの波形のRMS値を測っておきたいです。
例によってCTRLキー押しながらグラフ上部のV(vin)のところをクリックしてやると測定ウインドウが現れます。こんな感じ。
おお、vin は ほぼほぼ100Vとな。あたりまえか。そうなるように設定したのだし。
vout1の方も見てみましょ、こちらはほぼほぼ200V。倍だあ。
予定通りの感じのトランスになっていてよかった。でも真空管増幅器に使えるようなトランスのモデルなどめっちゃ難しそう。。。