定番といいつつマイナーな回路ばかりやってる気がしないでもないです。今回の回路はリングオシレータです。奇数段のCMOSインバータをリング状に接続して自走発振させるもの。トランジスタの性能と段数で発振周波数が決まってくるハズ。IC内部であれば何十段でも思い通りですが、今回は74HCU04の1パッケージでやってみるので5段。
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リングオシレータ
「論理」インバータは言わずと知れた論理素子です。0を入れれば1が出、1を入れれば0が出る天邪鬼な回路です。でもま基本中のキホンの「論理」回路であります。当然思いつくのが奇数個のインバータをシリアルにつなげて、末端を先端に戻すという回路です。ドタバタと0と1が交代し、勝手に発振を始めること必定。
通常はCMOSトランジスタの性能を評価したり、オンチップの「お手軽」な発信源として用いたりするんじゃないかと思います。まあ、ICをつかってわざわざ組むほどの回路ではないです。発振回路を作るのならもっとお楽で精度のよいものあるし。
まずはLTspiceでやってみる
今回74シリーズのロジックデバイスの実機でやってみるつもりなのですが、まずはSPICEということで以下の回路を作りました。ただ今回使用の74HCU04相当のSPICEモデルが無かったので、別件記事であってよかったCD4007のトランジスタモデルを使ったので、シミュレーションはCD4007(のトランジスタモデル)でやってみました。電源電圧は2V。定格の電源電圧(3Vミニマム)を外れてますが、74HCU04のリングオシレータは2Vで動作させたので比較のため。
シミュレーション結果が以下に。定格は外れてますが発振しておるようです。カーソルをほぼ1/2 VDD位置においたときの周波数を観察すると8.15kHzとな。定格外使用だし、かなり遅い?それに50年以上前のクラシックなCD4000シリーズデバイスだし。知らんけど。
実機動作
実機動作を観察するのは以下にリンクを貼り付けました東芝製の一品です。74HCU04とな。
一般的な74HC04インバータとの違いは
アンバッファ・タイプ
のインバータであることです。74HC04はロジック専門?なので実際は入出力にバッファが入っていて実質多段らしいです。それに対して74HCU04は「素直なCMOS1段のインバータで、0,1だけでなくリニアな回路にも使える」やつです。このデバイスは、以下の記事のときに仕入れてました。
お手軽ツールで今更学ぶアナログ(107) CMOSインバータを反転アンプに使う その2
電源電圧は2V(定格ミニマム)、5段で実験したところ以下のようでした。
8.33MHzとな。CD4000シリーズより約1000倍速い?まあ、そんなもんか。