前回ゲルマニウム・ダイオードのIV特性をカーブトレーサしてみたので、今回はツエナーダイオードの特性を測ってみます。といって単なるツエナーでは面白くないので、ツエナーダイオードをバックツーバックに接続した場合の特性も測ってみたいと思います。接続のお作法、2通りある気がするのだけれど何か違うの?かねてから疑問。
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前回使用した「ラスト・バイ」の1N60と一緒に、ツエナーダイオードも仕入れてあったのです。
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- オンセミ(買収前のフェアチャイルド)製1N5226B、ツエナー電圧3.3V
- china-diode.com製BZX55C2V0、ツエナー電圧2.0V
現物写真が以下に。
実験その1、まずは普通にIV特性を測ってみる
以下はマイナス4Vからプラス4Vまで電圧(X軸)をかけ、流れる電流(mA単位)をY軸にプロットしたものです。2種類のツエナーダイオードは電圧が「逆方向」にかかるようにしてあります。比較用に定番の小信号用ダイオード1N4148(オンセミ)も並べてありますが、こちらは「順方向」に電圧かかるようにしてあります。一つだけ逆も順もないのがツエナーダイオード2本(BZX55C2V0)をバックツーバックに直列接続したものです。どちらから見ても同じ。
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- 黄色:比較用の1N4148(順方向が+)
- 赤色:BZX55C2V0(逆方向が+)
- 青色:1N5226B(逆方向が+)
- ピンク:バックツーバックのBZX55C2V0
小信号用1N4148は約0.6V付近でONしてますが、ツエナーダイオードの2種類も上記のグラフでは-0.8V付近でONしてます。順方向という点では似たようなもんだと。一方、1N4148は-4V付近くらいでは逆方向の電流流れませぬ。あたりまえか。これに対してツエナーの2本はそれぞれ所定の電圧あたりで電流が流れてます。でも順方向に比べるとちょっと緩やかね。。。
さて問題のバックツーバックですが、どちらを+にしても右と左のカーブを合成したような特性になる筈なので原点対称のカーブになってます。予想どおり?
実験その2、バックツーバックの方向?
どっちをもって「バックツーバック」と言うべきなのかアナログ素人には定かでありません。とりあえずAタイプとBタイプと呼ぶことにしました。
さて、上記の回路のIV特性を取得してみるとこんな感じ。青の線しか見えてませんが、実は黄色の線も重なってます。どっちがAでどっちがBだか忘れてしまいました。みたところほぼ完ぺきに重なってます。
同じデバイスをヒックリ返しただけだから当たり前か。どちら方向に電圧かけても同じような絶対値で信号をクリップしてくれる感じ。