アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』2023年4月号の日本語版がアップされました。その実習を実施。今回は外部トリガ端子を活用するためにアナログコンパレータを使ってみるの回です。普段外部トリガ端子を使わないのは、オシロのCH1/CH2のトリガ機能に安住しているためっす。たまには使ってみよと。
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アナデバ様のStudentZone 2023年4月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。
ADALM2000による実習: 調整が可能な外部トリガ回路を構成する
記事の末尾の問題に対する解答編(英語のみ)が以下に。
April 2023 StudentZone Quiz Solution
External Trigger
アナデバ様の記事はアナデバ製ADALM2000、当方が使用しているのはDigilent製 Analog Discovery2ですが、どちらもよく似た「兄弟的」デバイスなので、どちらにもT1/T2という端子が存在します。外部トリガ端子です。
普段オシロスコープ画面では、アナログ入力CH1/CH2のトリガ機能ばかり使ってます。CH1かCH2のどちらかの入力の立ち上がりでも立下りでも任意の電圧でトリガを仕掛けられるものです。他にもいろいろな条件でトリガは可能です。CH1かCH2の信号そのものでトリガをかけるのであれば、この機能でおなか一杯状態。
ただしアナログ入力の2チャンネルとは別なトリガ信号を使って波形を観察したい、などというときにT1/T2端子は活躍するのではないかと思われます。普段、そんな込み入った観察などしないので猫に小判か?
ただしT1/T2は「デジタル端子」でトリガ電圧とか指定できないデス。そんなときにどうするんじゃ~という疑問に対する回答が今回の記事かと。
AD8561
以下に今回記事で使用しているAD8561の製品ページへのリンクを貼り付けておきます。
ぶっちゃけ、上記の疑問への回答は外付けのアナログコンパレータで、電圧可変のトリガ回路を作ればよい、というものであります。正攻法というか、力業。
なお製品ページのタイトルは単電源とありますが、単電源範囲でも使えるということで、端子的には両電源で使えるアナログ・コンパレータです。
今回実験の回路
アナデバ様の記事にそってブレッドボード上に組み立てた回路が以下に。左上隅のポテンショメータでトリガをかける電圧を調整、AD8561でその電圧と比較した結果で「デジタルな」トリガ波形を生成する、というもの。なおAD8561は「高速コンパレータ」ということでノイズなどでパタパタしないように入力信号にRCでローパス入ってます。
AD8561は、正負両方の出力をもっているので、立ち上がりでトリガをかけるか、立下りでトリガをかけるかで、使用する出力を切り替えないとならないのですが、立ち上がりの方しかやってません。。。2回やるのシンドイ。
実験結果
C1(黄色)に入力の三角波(5kHz、オフセット0V、振幅4V)を与え、C2(青色)でトリガ信号出力(AD8561の出力に遅延回路入りのSN74HC04のインバータ2段挟んだ出力)を見てます。
まずは比較用のCH1の「アナログな」トリガ(トリガ電圧0V固定のとき)ポテンショメータは左ギリギリ。
今度は外部トリガ回路で生成したトリガ信号T1でトリガを仕掛けた場合。最初は左ギリギリ。
これだけだとな~、なんだかありがたみが無いけどな~。別な信号でトリガかけられるということにありがたみを感じないと。