定番回路のたしなみ(38) OPアンプ、移相発振回路でウエイブフォームを

Joseph Halfmoon

いつも頭に霞がかかっているよな年寄デス。今回はいつにも増して霞どころか五里霧中、一寸先は闇であります。しかし、そんなときにも回路は配線さえ間違えなければ動作します。物理現象だし。お前の頭の中とは無関係と。そういうわけで、今回は「移相」発振回路の発振の様子を観察してお茶を濁します。以前にやってなかったよな。。。

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移相発振回路

移相発振回路は、反転増幅器の入力に「ちょうど移相が180度遅れるような遅延素子」を接続して発振させる回路です。発振条件についてはCQ出版様の以下のページへのリンクを貼り付けさせていただきます。頭に霞がかかっている年寄がウソついてもマズイし。

移相型発振回路の発振条件

まずはLTspice

回路シミュレーションすれば、いくら頭に霞がかかっていようが何だろうが、発振するものは発振いたしますな。今回作成した回路図が以下に。例によって「いつもの」OP07にお出ましをお願いしてます。PhaseShiftOSC

上記回路をシミュレーションした結果が以下に。電源ON直後の波形なので、最初小さい波形から徐々に拡大していくところが発振らしくてイイ感じです。これだね。PhaseShiftOSC_SIM

上記のカーソルのDiff値からは、発振周波数が以下のように読み取れてます。

1.332kHz

手でグラフにあわせたカーソルとカーソルの間の間隔なので多少の誤差はありーの。一方、発振条件から計算するとこんな感じになります。

f=1/(2*pi*sqrt(6)*C1*R4) = 1382Hz

まあ、いいんでないかい。

現物回路で動作確認

ブレッドボード上に組み立てた回路が以下に。中央のICはアナデバ製OP07であります。汎用オペアンプね。OP07_psosc_DUT

上記回路の発振波形いつものようにDigilent Analog Discovery2で測定したものが以下に。PhaseShiftOSC_WAVE

 

実測値1.33kHzだと。LTspiceの測定値とピッタンコだわ。いくら頭に霧がかかっていようとも、シミュレーションと回路はウソをつかんのだ。知らんけど。

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