アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』の2024年6月号(和文版)の3回目です。前回までにオペアンプ1個の「プリミティブな感じ」のアクティブフィルタ、ローパス(LPF)、ハイパス(HPF)と実習してきました。今回はご所望の周波数帯だけを通過させるバンドパス・フィルタ(BPF)です。
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※学生でもないのに勝手に実習をさせていただいておりますアナデバ様の記事(日本語版)が以下です。
ADALM2000による実習:アクティブ・フィルタ【Part 1】
アナデバ様的にはアナデバ製ADALM2000ツールを使って実習せよ、との記事ですが、当方持ち合わせなく、Digilent製Analog Discovery2(AD2)利用であります。
LTspice用回路図とシミュレーション結果
何時もの通り実機を動かしてみる前にシミュレーションです。回路図が以下に。
オペアンプの入力側にHPFがおり、定数から求めたカットオフ周波数Fhは 1.592kHzです。オペアンプの出力側にいるLPFのカットオフ周波数Flは15.92kHz。よって中心周波数(共振周波数)FrはSQRT(Fh*Fl)にて約5kHz。Q(クオリティファクタ)値Q=Fr/(Fh-Fl)を計算すると0.35くらいです。まあ、結構通過帯域は広めってこってすかい?
例によって、AC解析するのに「AC 1」ではなく「AC 0.2」などと設定(実機で同じ設定にしても出力が振り切れないように)しているので縦軸の値はご注意を。グラフ上は1Vが0dBになるような表現になってます。
※2024年9月14日追記:AC解析については素人老人の誤解であること判明。「AC 1」と記しても出力がクリップしてしまうことはない。その件についてはこちら。
現物BPF
こちらのゲインは、入力信号に対して相対計算してます。ピークはほぼほぼ20dBであります。予定通り約10倍ね。
まあ、シミュレーションとほぼほぼ一致している特性なんでないの? いい加減だな。いつものことだが。