鳥なき里のマイコン屋(34) Elan、4bitの香りの8bit

もう一息で主要なマイクロコントローラ・ベンダを走破できそうな雰囲気になってきたので、さっさと行きたいと思います。本日は、台湾のマイコン屋さん、Elan Microelectronics社です。ビジネス的にはタッチ系の入力用ICの方がメインになっているのかな?と思いつつ、昔ながらのマイコンもしっかりやっている感じがします。

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介護の隙間から(29) ICT化で書類削減というけれど

今日のテーマは、介護される側にはほとんど関係なく、介護する側(それも家庭内ではなくプロ)にかかわる問題です。

介護と書類(事務処理)

です。最近、ICT化で介護の事務処理の負担軽減、みたいは話をよく目にするのです。しかし、現場レベルでその手の話題を語っている方を目にしたことがなく(単に検索にかからないだけかもしれません)、多くの場合は、お国とかICT屋さんが語っているようです。雰囲気から察するに「上の方から落ちてきている」ような気がします。それでホントに介護する人たちが楽になるのなら良いですが、どうなんでしょうか。そうはいっても着々とICT化は進むことでしょう。 “介護の隙間から(29) ICT化で書類削減というけれど” の続きを読む

鳥なき里のマイコン屋(33) Dragonchip、リモコンに生きる?

スマホやスマートHOME系のデバイスが広がってくるとそのうち無くなってしまうのではないか、と想像されるデバイスの一つに「赤外線リモコン」があります。ボタンを押したらテレビがつく、あれです。といっても現段階ではまだまだ絶滅の恐れはないでしょう。「平均的なご家庭に」はテレビ用やエアコン用など複数台のリモコンがあると推測されます。全世界の総数を想像するとトンデモない数です。しかしついていて当然、無いと不便ですが、あったからといって他と差別化できる部分も少ない「デバイス」です。正直、家電屋さんにしたら無くせるものなら無くしてコスト削減したい「デバイス」ではないかと思います。

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土木でエレキ(7) AIの活用を道路の点検技術にみる

前回、AIとかICTとか使って何をやりたいの?みたいな視点で勝手に調べてみました。今回は、AIといって具体的にどんな算法を使っているのか手がかりないかと調べてみることにいたします。またもや手がかりにしたのは、NETISの維持管理支援サイトです。前回までは主にコンクリートの道路橋中心に調べさせてもらいましたが、今回は道路の舗装が対象です。昨年の年末に『「路面性状を簡易に把握可能な技術」の事後評価結果について』という「お知らせ」が公開されていました。ここに「いくつか手がかり」があったのです。

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鳥なき里のマイコン屋(32) 6502の家元? Western design Center

前回に引き続き、米国の、規模は小さいけれど変わったユニークなマイコン屋さんを取り上げさせていただきます。その名はWestern Design Center (WDC)です。「Armのお供に8051説」を追いかけていた第8回、台湾Megawin社でArmや8051に混じって6502ベースのMCUがあったとご報告しておりました。Megawinの6502コアが、「分家」の末流ならば、WDCは6502の家元か本家といったところでしょう。こういったマイコン屋さんが消えずに存在するのを見るにつけ、6502の栄光の大きさと、米国のマイコン文化の奥深さを感じます。

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介護の隙間から(28) 癒しと電子デバイス

今日は、取り上げさせていただくのを躊躇していた話題に突っ込みます。

癒し

です。実際、電子デバイスで「癒せる」ことがあるのだろうか、と自問してしまいます。調べてみると否定的な方も多いです。しかし実際、「ブツ」は各所から出ているし、いろいろ効果ありとの研究結果も「アリ」です。結局のところ、

使う人の気持ち次第

で、癒されるかもしれない、そうでないかもしれない。それでいいのか。

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鳥なき里のマイコン屋(31) Cybernetic Micro Systems P-51、マニアックすぎ

時々、米国には変な、というと申し訳ありませんが、ユニークな会社が存在します。このCybernetic Micro Systemsもそのような会社の一つではないかと思います。シリコンバレーの中心地、スタンフォード大あたりからだと、海岸の山地(結構高い)を越えて、太平洋の方まで出ないとなりません。当然「バレー」の中ではありません。お休みのドライブには良いかもしれませんが、ビジネス向けのロケーションではありませんな。この会社のメインは、ステッピングモーターのコントローラなどだと思うのですが、あるのです8051が。それもかなり「ユニーク」な味付け。

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IoT何をいまさら(9) IoT, M2M, AI, ML 言わせてもらえば

IoT (Internet of Things) と M2M (Machine to Machine)、どうも似たもので、よく隣あって書いてあります。違い、分かったような、分からないような。これとは別なものですが、この頃は「併用」されることが多いので、それらの近くにAI (Artificial Intelligence) とか、ML (Machine Learning) などという言葉も落ちていることが多いです。この2つの違いも、分かったような、分からないような。いろいろな人が、いろいろな説明をしていますが、この辺でこちらはこちらで、勝手きままに、見解を申し述べさせていただきたいと思います。

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鳥なき里のマイコン屋(30) ISSI メモリの影にレア物MCU

マイコン(マイクロコントローラ)をメインに推している半導体ベンダもあれば、他の主力商品の影でひっそりとマイコン売っているベンダもあります。このシリーズでは「丹念」にそういう「ひっそり系」?ベンダもカバーしていきたいと考えております。今日はそのような中の1社。Integrated Silicon Solution Inc.(略称: ISSI)のマイコンを調べさせていただこうと思います。

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土木でエレキ(6) 打音検査、ICT化AI化、なにがやりたい?

このところ、素人のくせにコンクリートの打音検査の件に突っ込まさせていただいております。素人ゆえに、プロの人が何を期待されて、そのICT化というべきか、AI化というべきかをしたいと考えているのかはよく探っておかねばなりますまい。いろいろ調べていくと2つの目的が浮かんできます。

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鳥なき里のマイコン屋(29) MediaTek MT2523、MCUそれともSoC

今日は迷いました。「鳥なき里のマイコン屋」は、マイクロコントローラ(MCU)を経めぐるつもりのものですが、これってMCUに入れて良いのかどうか。しかし、「自己規定」として、microcontroller、MCUの文字が見えるので、やっぱり持ち主の判断を優先するべきだろうと考えました。さらに言えば、この「持ち主」の会社というのもこれまた迷うのです。開発元、型番的には台湾半導体大手、Androidのスマホ向けSoCなどでおなじみのMediaTek社の製品です。しかし、MediaTek社の該当製品の紹介ページから引用させてもらうと、

Please note this product is now managed and sold by AIROHA, a MediaTek subsidiary.

ということで子会社のAIROHA社に移管されているようです。というわけでMT2523シリーズ・マイクロコントローラにGo!

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介護の隙間から(27) 服薬管理、いろいろあるけど

今回取り上げさせていただくのは「服薬管理」の問題です。お年寄り、それも要介護、要支援ともなれば、各種の持病あり、服薬は必須でしょう。その上、記憶力、認知の問題もあり、この管理はなかなか難問なようです。一般社団法人全国介護者支援協会さんのサイトに、ちょっと古い(2012年)資料ですが、この問題に関するアンケート調査結果(介護する側の人に対する)がありました。引用させてもらうと、

服薬管理は在宅介護者の大きな負担

だそうです。資料を拝見すると要介護度があがるほど、薬も増えれば、苦労も増えるという傾向が見てとれます。当然、介護する側の苦労だけでなく、服薬する側の高齢者の方には、薬を「ちゃんと飲めない(飲み過ぎる危険もその中にあります)」リスクが大。そんな「服薬管理」に電子デバイスは何か貢献できる部分があるのでしょうか。

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AIの片隅で(3) バオバブ、データセット制作の強みは多言語コミュニティ

最近は、何かのフレームワークでちょっと「AIしてみよう」などと思い立つと「学習済」の係数データなどが一発でロードでき、ものの数分でサンプルプログラムが動いたりします。それで「ちゃんと認識した」などと喜ぶわけです。しかし、そのサンプルの陰には、学習にコンピュータがついやした時間があり、それどころか、学習用のテストセットを作るために「人間」が費やした膨大な時間もあったりします。私も実は小さな学習用のデータセットを作ったことがあるのです。ま、いろいろ小さなプログラムを作ったりして合理化はしましたが、基本は自分の目でみて画像を分類なので、とても面倒くさい、というよりやっていると「飽きる」作業でした。世間にはダウンロード可能な既存データセットもない分けではないですが、大抵は何かコンテストの題材だったりします。自分固有の目的にあったデータセットなど落ちている分けがありません。この手の作成需要があるんじゃないか、と思っていたところ、団員4号から連絡がありました。

テレビでやってるよ、TBSがっちりマンデー!!

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鳥なき里のマイコン屋(28) FTDI、繋ぐに徹するMCU

本日取り上げさせていただく会社は、Future Technology Devices International Ltd.と長い名前の会社です。多分、略称の“FTDI”の方がずっと良く知られているような気がします。そして、半導体業界人に“FTDI” と問いかければ、合言葉のように、

 “USB”

と返事がくるくらい、この会社はUSBと何かを繋ぐことに徹した会社です。この会社のマイコン製品においてもそれは例外ではありません。

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