自動車の不都合な真実(2)MT車の限定免許

『政府方針 新型車に自動ブレーキ義務化 国際基準採用 2021年11月から』
という報道記事のコメント欄を見ていた時、気になるコメントを発見しました。曰く、「高齢者にMT車の限定免許を交付すればよい。」そのココロは、MT車は誤って暴走するAT車と違い、失敗するとエンジンがストップして停止します。つまりMT車は、Fail Safeな自動車なのです。背景として、いろいろ提案(販売)されているペダルの踏み間違え防止手段が、なかなか普及しない現実があります。

本件と関係ありませんが、映画「FAIL SAFE 未知への飛行」お勧めです。

MT車の限定免許は、高齢者の免許更新の際に、坂道発進と縦列駐車の実地試験を義務付ければ完璧です。この試験に合格しない人は自主的に免許返納するでしょう。それでもマイカーが必要な方は、来るべき完全自動運転の車に乗ればよろしいかと。さらには、スマホを手に持ちながらMT車を運転する人はいないでしょう。MT車は「ながら運転」に対しても安全です。
MT車が優れているのは、未だにワイバーに替わる発明ができないのに似ています。完全自動運転の車は、すべての観点でMT車を超えることができるのでしょうか。


MT車の限定免許のような視点(Think Different)は、どこにオリジナルがあるのかと、Googleさんに訊いてみました。

以下、引用します。

(引用1)『高齢者は、MT車限定にしては・・・』 クチコミ掲示板 – 価格.com 2009/08/08
65歳以上の方は、まだAT車限定免許の方はいないと思います。…. しかし、技術が進歩して高性能になり操作が簡単になりすぎたために起きているように思います。

(引用2)操作が難しいMT車の方が簡単なAT車より事故率が低い理由 … 2017/05/18
https://www.news-postseven.com/archives/20170518_550780.html
 そうした議論に一石を投じる提案が朝日新聞『声』欄に掲載された。「マニュアル車を復活させよ」という、51歳の高校教師の意見投稿(5月7日付)だ。
〈MT(マニュアル)車にはAT(オートマ)車にない安全性がある。面倒なクラッチ操作だ。操作方法やタイミングを間違えればたちまちエンストする。わずらわしいが、これは大事な安全装置だ。

引用終わり

調べた限りでは、2009年8月の価格コムのクチコミが最先のようです。いまさらMT車をというのは、自動車メーカーの営業戦略としてどうなんだろう。MazdaはMT車に積極的なようだけど…と思っていたら、トヨタさんの記事がありました。

【時代に逆行しているようだがなぜ?】トヨタ車に「MT」が続々とラインアップされるワケ
投稿日: 2019年12月21日 TEXT: 渡辺陽一郎 PHOTO: トヨタ自動車/WEB CARTOP編集部
https://www.webcartop.jp/2019/12/468278/

さすがに開発費が潤沢なトヨタさんです。実は、MT車の限定免許について織り込み済みで、そのための布石は着々と進めているのでしょうか。

逆説的に考えると、もしAT車のほうがMT車よりも事故が多いのであれば、それは事故を起こしやすい要因(属人的な特徴)があるのかもしれません。それをきちんと検証して、AT車の免許・更新の試験に採用したらいかがでしょう。その試験は、現状の高齢者に対して実施されている認知試験では十分ではないはずです。

私は、踏み間違え対策として、アクセルを踏んでいないときの右足はブレーキペダルをホームポジションにしています。その際にブレーキランプが点灯しないように注意します。もし何かが飛び出してきたときに、とっさにペダルを踏むとブレーキペダルを踏むことができます。ペダルを踏みかえる時間(約0.6秒)の空走時間も無いので安全です。

(Arahaの独り言)Mazda Roadstar (MX-5)を値引きなし、クレジットカードの一回払いで買ってみたい。