IoT何をいまさら(13) NB-IoTを用いたスマート水道メータ

JosephHalfmoon

本日調べさせていただくのは、水道、ガスメータ製造大手の愛知時計電機のNB-IoTを用いたスマート水道メータです。IoT向けの無線規格であるNB-IoTを用いているところが注目ポイントであるので、本「IoT何をいまさら」シリーズとして番号をつけたのですが、実は「介護の隙間から」の方で取り上げる方が良いのか?とも迷いました。このNB-IoTを用いた水道メータで、高齢者見守りの実験が何件か同時に仕掛けられていたためです。さらに言えば、このNB-IoT無線、最近何かと話題のHuaweiの技術のようです。

まずは、愛知時計電機についておさらいしておきましょう。創業1898年(明治31年)と100年以上の歴史のある会社です。社史のページを拝見すると、その名の通り時計の製造会社としての出発であったようです。同業の時計会社では、セイコーの1881年(明治14年)創業よりは遅いですが、シチズン時計の1918年(大正7年)よりも早い創業です。今回調べていて早稲田大の大隈講堂の時計塔の時計が愛知時計電機製(昭和2年)であったということを知り、ちょっと驚きました。ただ、時計事業そのものは1993年に終了されてしまったようです。しかし、未だに「時計修理のご相談」というリンクが残してあるところ、社名も愛知時計電機であるところなど、なにか時計屋としての矜持を感じます。今回、調べている水道メータについては1927年に「時計製造で培った精密歯車技術」を活かして製造開始とありますから、こちらも90年以上の歴史があるようです。その後ガスメータなどの製造も開始し、現在ではガス、水道メータが主力製品の会社(2019年3月期の予想売上高約481億円)です。

さて本題のNB-IoTを用いたスマート水道メータですが、昨年11月に以下のプレスリリースが出されています。

NB-IoTを用いたスマート水道メーターの試験導入と電波状況確認試験について

実証実験は、京都市上下水道局と共同で京都市左京区の「山間地域の一部」で2018年12月頭から2019年5月末までの期間で現在実施中のようです。場所は山間部の上「積雪」などもあって検針が大変な地域を選んだようです。ここで注目すべきは、京都市上下水道局、4種の無線を比べていることです。(当然といえば当然ですが)

  1. NB-IoT :愛知時計電機
  2. FlexNet :Sensus Japan+ミライト・テクノロジーズ
  3. Sigfox :京セラコミュニケーションシステム
  4. LoRaWan :日本電気

まさに、最近流行りのLPWA無線規格の激突、という感じです。しかし、実際に無線機付きの水道メータを試験設置して実験しているのは愛知時計電機のNB-IoTだけで、他のメーカは「電波状況の検証」にとどまります。やはり本業メータ屋さんの踏み込みは違いますね。

さらに、このNB-IoTを使った水道メータの実証実験、京都だけではないのです。

水道使用量データを活用した「見守り・ヘルスケアサポート」の実証実験について

こちらは大阪市(と大阪商工会議所共同)で独居高齢者を対象に行われる実験で、NB-IoT水道メータから上がってくる水道使用量をAIで処理して異常を検知するものです。この手の日常生活に密着したセンサ情報から高齢者の見守りをするという取り組みは色々な手法があり、ビジネスになっているものもあります。別シリーズ「介護の隙間から」でセンシングは異なるものの目的は類似するシステムをいくつも調べさせていただいておりますので、興味のある方はそちらも併せてごらんください。今回、高齢者見守りの手段に水道メータ計測の水道使用量が加わったということになります。こちらの実験は来年までかかるようです。

また、大阪市だけではありませんでした。愛知時計電機の地元、中京地区の郡上市でも高齢者対象の実験が行われています。こちらはNPO法人との共同での実験のようです。

NB-IoTを利用した水道使用量にて健康管理を行う実証実験について

こちらの実証実験がもっとも期間が短く、2019年3月中旬までということでした。

実証実験が終われば、報告書などが作成され、公開されるのではないかと期待されます。何か見つかったらまた投稿したいと思います。

IoT何をいまさら(12) Cymbet、個体電池 へ戻る

IoT何をいまさら(14) 工作1、LCD表示、AQM1602 へ進む