鳥なき里のマイコン屋(63) NXPマイコンにみるMbed微妙な違い

JosephHalfmoon

一種類とか一社製品とかばかり見ていると知らぬ間に頭が「その常識」に囚われて、いろいろ見えなくなることがあるものです。このところ、ST社のSTM32マイコンを搭載したNucleoボードでばかり「遊んで」います。ちょっと他社のマイコン、それもArm EbedのWeb開発環境でプログラムを作れるものにもちょいと手を出しておくかいなと思いました。選んだのは、

NXP社のLPC11U35搭載のボード

です。正確に言えば、NXP社のLPC11U35マイコンを搭載したEmbedded Artists社のEA LPC11U35 QuickStart Board互換の秋月製ボードです。純正品に比べると大分お手頃だったので、つい。

まずは、写真載せておきます。画面で見ると、本物の3倍くらいな大きさに見えます。本物は40mmx18mmくらいの大きさなのでかなり小さいです。

基板と、ピンヘッダが袋に入っているので、自分でピンヘッダを半田付けしました。小さくて軽いので、マイクロUSBケーブルを刺すとケーブルのよじれでそのままではナナメってしまいました。とりあえず、重しとしてでもブレッドボードにでも刺さないと平に設置できませぬ。

さて、MbedのWeb環境をこのボードターゲットに変更します。例によって右肩のボタンからEA LPC11U35 QuickStart Boardに変更をかけます。

ボードの名前が長いので、ちょっと右側切れていますが、ちゃんと変更されています。

このスクリーンショットは、ビルド成功後に取っているので、既にFlashやRAMの使用量が出ています。

最初ですから「伝統の」Lチカで「受け入れ検査」をします。といっても、Mbed内のこのボードのサポートページには、

  • OSは Mbed OS2のみ
  • ExampleはMbed_Blinky(いわゆるLチカ)のみ

という寂しさです。これは、このボードのスペックが小さいため(Flash 64KB、RAM 8KB)だと思います。倍の16KBのRAMを搭載しているNucleo F072RBでもOut of memoryで動作しなかった Mbed OS5のRTOS機能などをこのマイコンで動かそうというのはちょっと違うと思います。

サンプルプロジェクトをインポートしたのですが、なにか、NUCLEOの時と違う感じがします。なぜでしょう。

インポートすると、main.cppの下に歯車マークが出るのですが、NUCLEOの時には「役立たず」な歯車マークであったのです。何のためにあるの?と思っていたら、LPC11U35では、中身にドキュメントが詰まっているではありませんか、クリックすれば、APIマニュアルが表示されます。多くは、MbedのWebベースのAPIリファレンスでも見れるものと共通していますが、

Web上のリファレンスより多くないかい?

多分、GitHubへ行かないと見れないようなモジュールまで含まれている感じです。それに、

読みやすくないかい?

小さなボードですが、発見がありました。一応、残念なNUCLEOの歯車アイコンはと言えば、こんな感じです。

つれなく、Documentation not ready。

「更新」ボタンがあるので、時々押してみるのですが、反応もなく、そんなものかと思っていたのです。が、LPC11U35じゃサポートされていた。ボードパートナーのEmbedded Artists社が偉いのか、シリコンパートナーのNXP社が偉いのかは判断つきませんが。さてビルドしてボードに書き込みます。

Mass Storageデバイスとしてbinファイル書き込み

に対応しているので、ビルドしたbinファイルをコピーすれば良いのですが、Nucleoと比べるとちょっとメンドイです。

マイコン1個で、Mass Storageとして自分を見せ、書き込んでもらう

っているためだと思います。Nucleoであるとデバッグ用のI/Fにもう一個マイコンが載っていて、こちらがPCとの接続などを取り仕切っているので、接続すれば直ぐにMass Storageが開くし、いつでもファイルを書き込めるのですが、

ボタンを押して、Mass Storageモードで再起動してから書き込んでもらう

書き込み前に元のファイルのイメージをPCから消さねばなりません。その後、書き込んで、またボタンを押して再起動。

OK。動いた。

という具合。しかし、小さなボードなので、いろいろ不便なところに気付きます。デバッグI/Fがオンボードに乗っていないので、Nucleoじゃ繋ぐだけで使える 「printfするとPCの仮想シリアルポートに出力できる」機能など使えません。そして

デバッガ接続用の端子10本は小さなボードの中央付近の狭いピッチのスルホールに出ている

です。デバッガ使いたければ、ここに接続しなさいということのようです。ちいさい、安いボードなのでこれは致し方ありますまい。おいおい環境も整備していくということで。

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