前回、フォトトランジスタQSD123とPINフォトダイオードOP999が見た目そっくりで見分けがつかんといいながら、フォトトランジスタQSD123でのみ、ちょっと実験やってみました。正直、OP999からは逃げてましたね。だって「トランスインピーダンス・アンプ」がいるのですよ、適切な。アナログ音痴な私にはとても出来ない気がしました。しかし、そんなことはアナデバ様は百もご承知。またか。
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まず、フォトトランジスタとフォトダイオード、そしてPINフォトダイオードについて、一言くらい説明が欲しいところです。しかし、既に立派なものがあるので、そこへのリンクを張るだけにいたします。
たかだか2ページのPDFファイルですが、知りたいことがちゃんと書いてあります。まあ、PINフォトダイオード、なかなか速くて感度も良いものなのだけれども、フォトトランジスタほど簡単には回路が組めない、ということがお分かりいただけますでしょう。
さて、配信されてくるAnalog Devices社の広告を眺めていて、PINフォトダイオードのWebツールみたいなものがあるのだ、という認識は持っていました。しかし、ま、まず使う事ないだろ~とスルーしてました。が、今回図らずもOP999と向き合うことになって、初めて訪ねましたです。それがこちら
最近は、Web上で使える設計リソースの良いものがあちこちにありますが、ここもその一つです。それに日本語なのも嬉しい。データシートに書かれているフォトダイオードの仕様を入力することから始めることもできますが、OP999などは選択画面から選択できるので、データシートを見る必要すらありません。フォトダイオードを選択するとポップアップで以下のようなピーク電流の設定画面がでてきます。要は、最大どれだけ電流を流す気なのか、あるいは、ピークでどれだけの光に晒すつもりなのか入力すると。とりあえず
1.4kW/平方メートル
というピーク光度を入力してみました。お天道様の「定数」(多分、地球軌道での大気圏外の値)であります。
ピーク光度からでも、ピーク電流からでもどちらからでも計算できるのですが、仕様にマッチしない値を入力するとエラーになるので、安心。
次に「本題」の「トランスインピーダンス・アンプ」につかうオペアンプの選択です。非常に沢山のオペアンプ、当然Analog Devices社製品のみでありますが、が選択画面に現れるので、手元にあるオペアンプがないかな~と良くよくみたのですがありません。残念ながら、このサイトに「設計」してもらった回路を直ぐに実験してみるのは断念。
そこで、入手できそうなものをあたってみることにいたします。ただあまりに品種が多くて目が回るので条件で絞り込みをいたしました。
- 最小供給電圧 4.9V以下(Analog Descovery2やM1Kの「お手軽ツール」どもが扱えるように)
- お勧め
- 生産/供給中
ただ、一点、文句を言わせていただけば「お勧め」を選択すると、真逆の「お勧めではない」もリストされるのは、いかがなものかと。
なお、最初、新規設計にはこれ、みたいな絞り込みをしたところ、部品入手先にする予定の(ぶっちゃけ、他の部品も頼むつもりなので)
秋月電子通商
で入手できそうなデバイスが無かったのです。それで「生産/供給中」に緩和いたしました。選択画面の右端の方には値段まで出ているし。
秋月で買えるものとして
を選択してみました。1パッケージに2回路入っています。選択すると回路図が更新されます。
そして次のステップというボタンを押したらば、こんな感じ。
左上には、サンプル注文のボタンもあるし、右の回路はさらに実用的になっています。パスコンの容量なども分かるし、2回路入っているオペアンプの片割れの始末の仕方も書かれている。いたれりつくせり。
設計用ファイル
というボタンを押せば、
- BOM(部品表)
- 設計レポート(PDF)
- SPICEネットリスト(ただし、このオペアンプはLTspice非対応とのお断りあり)
- ノイズ・ゲインその他、各種計算結果
が一撃でダウンロードできまする。ま、これなら、アナログ音痴の私でもなんとかなるか。そういっても本当になにもしていない。ボタン押しただけ。いい世の中になりました。