ATmega328Pといえば、Microchip社(に買収されたAtmel社)製のマイコンです。Arduino世界の標準機 Unoなどに搭載されているので超人気。その中でちょいと気になっていたのが、パッケージ表面にラベルの貼り付けられているATmega328Pです。信号線とか引き出すとき便利でないかい?
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老人の繰り言ですが、老眼だとレーザーマーキングは読めないし、多ピンのパッケージなど、端から端子を数えている内に何番目だか分からなくなったりいたします。それでか、以前からとても気になっていたのが、秋月電子通商殿で販売されている以下の製品です。
[I-12774] ATmega328P Arduino Bootloader書込済
下の画像をご覧頂いたら一目瞭然ですが、パッケージ表面に端子機能(生のATmega328PではなくArduino互換機としての)が印字されたラベルが貼られているATmega328Pなのです。これは便利、老眼の友だね。
さて上記製品はラベルだけが売りではありませぬ(ラベルだけでも販売されているというところが、ラベルの根強い人気?をうかがわせますが。)Arduinoとして書き込み操作に対応させるためのブートローダが書き込み済です。生のATmega328Pではなく、Arduinoになるべくして設定済のATmega328P。秋月殿のページにはアプリケーションコードを書き込むための回路の回路図なども置かれています。
書き込み器?を作成
しかし思いつきました。手元にあるArduino Uno(互換機だけれども)を1台改造すれば、「書き込み器」になると。そうして改造いたしましたのが以下です。
Aruduino Uno(互換機だけれども)に刺さっているATmega328Pを慎重に引き抜き、
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- 最上層:28pinのZIFソケット(300~600mil対応品)
- 中間層:上記ZIFソケットのサイズに合わせて切断したユニバーサルボード
- 最下層:細ピンヘッダ14pinx2列 300mil幅
という「バベルの塔」をICソケットに差し込んだものであります。普通の太さのピンヘッダではICソケットに上手く刺さらなかったですが、細ピンのものを試したら結構シッカリ結合できました。配線的には十数ミリくらい伸びて、容量もそれなりに増加している筈ですが、とりあえず動いているのでOKっと。
ZIFソケットなので、ICの抜き差しはとても楽です。書き込みは普通のArduino Unoとして書き込めば良いです。そのままでの動作もOK(ちょっとZIFソケットの裏側になっている端子は取り出しにくいケド。)
「Arduino Uno互換」ミニマムボードの作成
Arduinoは、そのエコシステムの広大さで他の追従を許さない?各種のソフトウエアなどの入手が容易です。一撃でプロトが「できてしまう」世界。Arduinoベースで周辺回路を実装するにも、「シールド」などの仕組みがあるので結構コンパクトに手際よく作れてしまいます。しかし、Arduino Unoなどのベースボードにシールド組み合わせていくとちょっとコスト高かな。。。
その点、ひと手間掛かっているとは言え、ラベル付きのATmega328Pは、ICなのでお手頃です。必要最小限のデバイスを追加すればソフトウエア書き込み済のこのチップをArduino互換機として動作させることが可能。勿論、手足となるデバイスをお隣に載せることも容易。とりあえずArduino Unoの回路図を参考に作成したミニマムボードの回路がこちら。周辺部品は合計うん十円。
ご本家Unoでは、ビルトインLEDはD13接続ですが、後で使いたかったのでD8に移設しました。
とりあえず吉例のLチカプログラムを上の書き込み器でチップに書き込んだ後、作成したミニマムボードに差し込んで動作させたところがこちら。
これで、Arudino互換機全体を「周辺回路」とみなして他のマイコンに接続するといった使い方がやり易くなるかも。お手頃価格の部品代で済むし。。。