「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」ですが、「失敗もなく実験し、課題も綺麗に解こう」とは思わないことに決めました。実験はグダグダ、課題は万歳でも、参加することに意義(異議?)があると。さて今回は2018年8月号、前回のRLC共振回路に続きLC共振回路です。
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今回もアナデバ社のアナログ学習用ツール? ADALM1000(M1K)を使い、そのSMU(ソース・メジャー・ユニット、1端子が電源兼計測を兼ねる)を駆使した実験であります。
記事へのリンクはこちら
「ADALM1000」で、SMUの基本を学ぶトピック8:LC並列回路の共振
そして記事末尾のQuizの解答はこちら(いつもながらのスタイル。分かったような、分からないような。結局、自分で考えろ、ということ?)
August StudentZone Quiz Solution
実験準備、ダイオードと抵抗の回路
実験はLC並列回路ですが、その前に準備的な実験の指示がありました。ダイオードと抵抗だけの回路に正弦波を与えてみよと。「本番」では抵抗の代わりにLC並列回路を置くのですが、抵抗でまず見て置けという感じ。緑がダイオードと抵抗全体にかかるCH-Aの電圧、オレンジが抵抗部分のCH-Bの電圧、紫がA-Bの計算値、そして水色がCH-Aが流しだしている電流です。
ダイオードが入っているので、予想通りというか、全体にだいたい0.6V以上の電圧がかかるとダイオードに電流が流れるようになり抵抗に電圧が生じます。ダイオードの逆方向に電圧がかかっている期間では電流が流れず、抵抗に電圧はほとんど生じないことが分かります。
実験は、正弦波でなく、方形波でおこなうので、方形波のグラフもとっておきました。こんな感じ。こちらの波形の方が単純明快。
指定の定数のLがないので代用
実験に使用するパーツ、指定値のRやCはあるのですが、L=4.7mHは手元にありませぬ(アナデバ様のADALP2000アナログパーツキットにも入っておりませんでした。)「4.7mH以上」という指定であったので、手元のパーツで唯一これに当てはまる10mHにて回路を構成、実験を始めました。こんな感じ。オレンジの波形をご覧くだされ。
期待は、オレンジの波形が「周波数が測れるくらいの」減衰正弦波になって欲しいのです。けれども上の波形は減衰効きすぎ。周波数を測るには不適当っぽいです。Lがご指定よりデカイためにCが指定の値のままだと時間かかりすぎてるかも。ご指定のL、Cの値であると大体730Hzくらいの周波数になる計算です。Cを小さく変更して速くしてみることにしてみました。ブレッドボードに載せやすかったという理由だけで1uFx3個並列に変更。これだと730を通り越して920Hz付近の周波数まで高くなるはず。
今度は減衰正弦波っぽい波形です。x1とx2の2点間で周波数を測ってみると911Hzとな。ほぼほぼ計算通り。今のところうまく行っているじゃん。
Alice DesktopソフトウエアのMATH機能につまづく
続いて、コンデンサやコイルに蓄積されるエネルギーをグラフにせよとあります。コンデンサの電流をCかけるdv/dTで求めよとくるのです。Alice DesktopのMATH機能を駆使して計算せよとの思し召しです。1行引用させていただきましょう。
ADALM1000では、サンプリング・レートが100kSPSなので、サンプル間の時間は10マイクロ秒です。C1の値は10μFなので、10マイクロ秒で割るとちょうど相殺されます。
お馬鹿な読者が相殺できない定数を使っているなどとはご存じない。でもま、値を3分の1にするだけだから大した問題ではない。そう思ってMATH機能に取り組んだらここで今日は詰んでしまいました。
過去MATH機能は思ったように使えず、結構トラブッたことが多いのです。でも最近はダマシダマシ使えていた(使えるような気がしていた)ので、使い方は分かったような気でおりました。しかし、今回、時刻の異なるデータ間で演算(微分相当の値を求めるための差分)をするという技を記事から学んだのですが、うまく動きませぬ。横にペタっと(電圧変動のない)波形を微分した筈なのになぜか0でない値がでてくる。どこを間違えているのか。AliceのMATH機能について、もう一度学び直しだな。とりあえずエネルギーの計算はパス(そんなんで良いのか。。)
インダクタとキャパシタに流れる電流測定
まあ、MATH機能がダメでも電流、電圧を直接測定できればエネルギーもとまるじゃん、ということで直接計測もしてみました。ただし、ここでひっかかるのは手元のM1KのCH-Bの電流計測が「怪しい」1件。測ったことは測ったのですが、いまいち信用しきれないデス、特に絶対値は。
自己共振
さらにコンデンサを外してコイルだけで自己共振させ、コイルの浮遊容量を推定せよ、とあります。ただこれも定数が指定どおりでない件もあって良くありません。ポヨヨンと自己共振しているように見えるものの、過渡応答の出だしでコイルにかかる電圧が測定可能な範囲を振り切れてしまいっています。かなりな高電圧が発生しているのだと思います。それでも壊れた雰囲気のないM1Kすごいですが、多分、どこかの保護回路に電流が流れているのでしょう。ううむ、まともな測定ではない。
この状態で浮遊容量8.3nFとか求めたですが、怪しいです。
怪しさの中でだんだん、何が信用できる数字か分からなくなってきました。今回こそキッチリかと思ったんだけれど、最初だけ?