前回、姉妹書？についてだったので古文書扱いしてしまっております。が、初版から３０年近く経過しつつも、新版でてるし、電子書籍化もされているしでバリバリの現役感があるのが、今回の “COMPUTER ORGANIZATION ＆DESIGN、THE HARDWARE/SOFTWARE INTEFACE” であります。前回に続き大先生お二人の共著。
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冒頭のアイキャッチ画像をご覧いただくと分かるとおりです。前回の “Quantitative Approach” がかなり「くたびれていて」「読み込んだ」雰囲気を醸しだしているのに比べると、今回の御本は綺麗です。すみません、というのも、今回の御本に書いてある内容、コンピュータ設計の読み書きソロバン的なこと、は「大体知っているよね」という増上慢で、実際ほとんど読んでないです。読めばもっと立派な人に成れたかもしれないのに。。。まあ、読んでないので内容については触れますまい（いつものことだけれども。）
ただ、手元の本にはちょっと自慢できる点があります。以下です、ご覧くだされや。
息の長いベストセラーの初版本であるだけでなく、著者の両大先生のサイン入りですぞ。まあ、業界関係者以外は誰それ、かもしれませんが。
目の前で両大先生に、お手ずからサインをしていただいたのですが、そこにはカラクリがありました。
出版記念の即売会 兼 講演会
というやつです。つまり上の日付、１９９３年の８月１１日に加州サンノゼ市のノースファースト・ストリートに「あった」Computer Literacy Bookshopへ行って、このご本を購入すれば、もれなく全員にサインをいただけたという次第です。両先生とも結構ニコニコとサインしてくださったような記憶があります。
たしかその場には２０～３０人くらいの人々がおり（詰めかけているという雰囲気ではなく、書店の片隅の催し物コーナーだったと思う）、私はその中に混じってサインをいただき、そしてご講演（お二人合わせて３０分くらいのごくごく短いもの）を聞きました。一緒に行ったのは３年前にこのご本の姉妹書の初版本をプレゼントしてくれた某社で浮動小数点計算ユニットを設計していた友達です。確か奴の会社がノースファースト沿いで、その日は出張仕事を切り上げて奴の会社へ行き、ヒマをつぶしてから（当時としてもセキュリティがぐだぐだ。だいたい奴の上司にあたる人物も知り合いだったので昔話をしていた）、書店へと繰り込んだ次第。
さて、その書店 Computer Literacy Bookshop こそ、当時全米一のコンピュータ書の品ぞろえを誇っていたのであります。上の写真のサインの横にあるのが書店の「栞」です。1980年代から1990年代にかけて、シリコンバレーで働いていたり、出張にいったりしていた日本人はかなりお世話になっていた筈。1983年にSunnyvaleで創業したらしいのですが、Sunnyvale店には行った記憶が無いです。San Joseのノースファースト沿いのお店ばかり。東京の大規模書店を見慣れた目からするとそれほど広くは感じなかったですが、San Jose店が一番デカかったみたい。それもほぼ単一テーマの書店（コンピュータ書だけでなく、半導体関係もあったと記憶、ま、シリコンバレーだし）であったです。多分、世界一だった？
既にインターネット自体は存在してましたが、まだまだテキスト主体で電子書籍以前。ご本と言えば紙。アメリカは昔から通販の国（栞を読むと、San Jose店も通販やっていて、在庫があれば翌日出荷をうたっています）でしたが、まだまだメール（本物の郵便）での通販の時代。そうアマゾンの創業前だったです。実にこのご本を店頭で購入した翌月、1993年9月にAmazon創業（最初に登記されたお名前は違うみたいですが。）
その後の展開は想像がつきます。結局、Computer Literacy Bookshops（この時点で全米に４店舗、３店舗はシリコンバレーだったけれども）あったこの書店は、数年後には新興企業に買収されたみたい。さらにその数年後には実店舗は閉鎖してしまったとのこと。もうそのころはサンノゼ行っても本屋さんへ行かなくなってました（Fry’s Electronicsには行ったのだけれども。）
紙の御本を取り扱っていた書店の栄光の最後の時代、であったのかもしれませぬ。大袈裟だな。
L.W.R.(38) 古文書編#9、Computer Architecture: A Quantitative Approach, Hennessy and Patterson、1990 へ戻る