20年程前「タッチ」式センサが流行った時期がありデモ・キットをよく見かけました。多くは静電容量式、中には抵抗式もあり。最近デモ・キットを見かけないのは「タッチ」が普及してフツーになったからでしょう。今回試してみるデバイスは FSRというものです。一種のタッチセンサなのですが、位置だけでなく押した力も検出できる優れもの。
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今回のデバイスはトレードマーク的には、Force Sensing Resistor (FSR) と呼ばれている製品群の中の一つで、データシート的にはForce Sensing Linear Potentiometer (FSLP) と呼ばれているようです。以下に米国のメーカサイトへのリンクを貼り付けておきます。
上記メーカは日本法人もあったみたいなのですが、現在、日本法人のWebサイトにはアクセスできませなんだ。国内では、高千穂交易殿、DigiKey殿などが取り扱っているようです。
今回手に入れたのは、以下のリンクから辿れる秋月電子通商殿の通販サイトで売られていた「デモボード」です。
以下にパッケージ写真を掲げますが、パッケージに貼り付けてあった価格からすると、数分の一の「お手頃価格」になっていたので買ってしまいました。
ボードそのものは、2010年製造みたいで、秋月での取り扱いは翌2011年からみたいです。それが十数年を経て値下げになっていたと。なおQ&Aあり、データシートとIntegration Guideという資料がありますが、デモボードの回路図は非公開とのことです(自力で読み取れそうではありますが。)
不埒なことに、ボード上のセンサを引き剥がせば使えるじゃないか、などと考えて購入したのです。しかし強力に基板に張り付いておりました。取り外すのは不可。接続はフレキでコネクタなのでフレキを外せば他のマイコン等で実験することも出来なくは無さそうではあります。デモボードの表面の様子が以下に。
裏面にはマイコンと、単4電池二本の電池ボックスがあります。
なかなかしっかり良く出来たボードじゃないかと思います。電池を入れないで上を向けると、電池ボックスが出っ張っているのでカタカタするのです。しかし電池を入れて上を向けるとちょうど良い塩梅に重心がとれて、いい感じになります。
電池を入れて動作させている様子が以下に。押し付ける力を変えると左のPressureのLEDの点灯数が変化します。PositionのLEDは押している位置の一つが点灯します。
制御しているのはMicrochip社のPIC16LF1934でした。
センサのフレキには4端子あるのですが、1端子はNCです。残りの3端子に対して、制御マイコンには4端子必要です。
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- 端子1 GPIO兼ADC端子に直結、4.6kΩ(1%)の抵抗を介して別なGPIO端子にも接続
- 端子2 GPIO端子に接続
- 端子3 GPIO兼ADC端子に接続
基本的にGPIOをON/OFFして、ADCで電圧を読めば良く、換算式なども書かれているので制御は簡単そうです。知らんけど。
なお、位置を読むときと、力をセンスする時のIO設定は異なるので、時分割制御する必要がありそうです。
結構、面白い素子なんだけれどなあ。タッチしているかしていないか、あるいはタッチした位置を拾うだけなら適当な電極を並べておけば、マイコンだけで出来てしまう機種も多いです。わざわざセンサ素子を買おうという要求が無いのかも。やはり力(あるいは重さ)をセンスしてという目的がないと生きてこないデバイスですかねえ。