大分以前の回で「ノイズ・ゲイン」と「信号ゲイン」を学んだ遠い記憶あり。しかし忘却力の年寄です。今や混沌の彼方。-R2/R1の方だっけ、1+R2/R1の方だっけ?何度も登場のノイズゲイン(NG)の底が抜けていた?でもま、アナデバ様はそんなことお見通し?今回の4-4節はノイズゲインと信号ゲインの復習的な回。今度こそ?
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原著はOp Amp Applicationsという書物だったらしいです。
ノイズ・ゲインと信号ゲイン
ざっくりまとめてしまえば以下のとおりです。
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- 反転アンプ、信号ゲインは-R2/R1、ノイズゲインは1+R2/R1(以下の図の番号の振り方で)
- 非反転アンプ、信号ゲインもノイズゲインも1+R2/R1
信号は信号ゲインで増幅されるけれども、電圧ノイズやオフセット電圧はノイズゲイン倍される。そして安定性の評価はノイズゲンの方だと(オペアンプ大全の受け売りです。)
これを忘却力の記憶に定着させるために、今回はLTspiceでシミュレーションしてみました。回路図は以下に。折角のOP07にご登場いただいているのにもったいない使い方です。
信号VINにはオフセット0V、振幅1V、100Hzの「ほぼ矩形波」を加えております。そして信号Vnoiseはオフセット0V、振幅10mV、1kHzのサイン波です。回路は反転増幅器。R2=2KΩ、R1=1KΩなので、信号ゲインはー2倍、ノイズゲインは+3倍と計算できます。
まずはVIN、とVOUTの観察。青色がVIN、入力矩形波、黄緑がVOUT、出力波です。ちょうど反転した波形、振幅は2倍。予定どおりね。
さて念のため、信号ノイズを V(vout)/V(vin)なる式で計算させてみました。以下の赤色がそれです。左目盛りをみれば -2 とな。変化の瞬間に縦棒見えているのはいたしかたないっす。
肝心の「ノイズ成分」見てみました。以下では、黄緑のVOUT波形の2V付近を拡大してます。ノイズといっても正弦波なので綺麗だね。そして赤色はVnoiseの入力波形に+2.0Vした計算波形です。ノイズもしっかり増幅されているのでとても嬉しいです。
カーソルを当てて黄緑と赤の振幅を読み取れば、赤は約10mV、黄緑は約30mV。ゲインは3倍。
確かに、信号ゲインとノイズゲインは異なっており、予定どおりとな。とりあえず、記憶には刻め込めた感じ(また直ぐに忘れそうだけれども。)