半年もロジックお休みしてしまいました。マイコンの御供とか、アナログの御供でロジックしても真剣さが足りませんな?お休みした後のリハビリとて(忘却力の年寄にはリハビリがいるのです)「出来合いの」ロジックICを何個か動かしてその動作を観察していきたいと思います。今回は4ビット・バイナリ・カウンタ TC4520BPです。
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極小テストヘッド?
ロジックを「リハビリ」するワークベンチとて、極小の「テストヘッド」を作成しました。冒頭のアイキャッチ画像をご参照くだされや。「テストヘッド」と言えば立派な名称ですが、小さいブレッドボードの上に18ピンのZIFソケット(ゼロ・プレッシャー・ソケット)を刺しただけです。
ブレッドボード自体、配線自在ですが、やっぱりZIFソケットは安心感が違いますな。手先の震える年寄でも足を曲げる心配なく、確実にコンタクトをとることができます。
そしてロジックパターン信号を端子に印加し、そして信号を観察するために使うのは毎度お馴染み
Digilent Analog Discovery2
であります。Analogといいつつ、16チャネルのロジックパターンジェネレータ機能と16チャネルのロジックアナライザ機能も使えます。マニュアル・ページは以下に。
各16チャネルと言っても、端子的にはパターンジェネレータの出力とロジアナの入力をかねているので物理的には16ピンです。出力端子(相手のデバイス的には入力端子)としてははパターンジェネレータ画面でパターンをプログラムし、そのパターン出力端子も含め、相手のデバイスの出力端子をロジアナ機能で観察すればロジック動作が観察できるという優れものであります。パターン、アクイジションともにファイルセーブ可能っす。16ピンあるので、18ピンまでのICであれば全端子にパターン印加/ロジック観測が可能です(VCC、GNDで2端子必要なこと忘れないでね。)
なお、電気的には3.3V電圧のIO端子です。ただし入力的には5Vトレラントと書いてあるので、5V信号をダイレクトに受けることができます。やってみたけど今のところ壊れてません。ただし相手の入力電圧レベルが、3.3V系ではVIH的にダメな場合は、なにかレベルシフタを介する必要があるでしょう。まあ今回は3.3V系で動作OKなデバイスなので大丈夫ですが。
今回のターゲットデバイス
今回のターゲットデバイスは、CMOS 4500シリーズの4ビットのバイナリ・カウンタです。4ビット、というお気楽な感じがいいです。16ピンのICの中になんと2回路入ってます。当たり前か。製品ページが以下に。
同じバイナリ・カウンタ2個を並べて走らせてもまったくもってエキサイティングではないので、今回は片側だけ動かしてみることにいたしました。回路的にはこんな感じ。DIOxという信号がAnalog Discovery2の「ロジック」端子です。
デバイスに印加するパターン
デバイスに印加するパターンはパターンジェネレータ・タブを開いて入力します。ガチンコでドライブするので、PP(プッシュプル)を指定。ハイローともに駆動します。クロック周期を指定して任意のパターンをちまちま入力してテストベクトル化できる(勿論、ファイルからの読み取りもできる)のですが、今回は、メンドイので「クロック」指定でお茶を濁しました。
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- CLOCKA端子には10kHzでクロック与える
- ENABLEA端子には500Hzでクロック与える
- RESETA端子には100Hzでクロック与える
CLOCKA入力でカウントアップするのですが、ENABLEAがロウのときはクロックが無視されます。ハイの間のみクロックが効きます。また、RESETAをハイにすると他はホッタラカシでゼロにカウントが戻ります。
動作の観察結果
さて、上記パターンを前述の「テストヘッド」に印加したところ、以下のような論理動作を観察しました。上から3番目のRESETA信号がロウに落ちた後で、ENABLEA信号がハイの期間、CLOCKA入力に応じて4ビットのカウンタ(出力はQ3AからQ0A、Q3AがMSB)がカウントアップします。ENABLEAがロウに落ちるとCLOCKAは動いてますがしばらくお休み。ENABLEAがハイに戻ると元のカウントからカウントアップを続けます。
2回目のカウント中に15から0へラップしています。4までカウントアップしたところでまたENABLEAがインアクティブになるのでお休みとなります。この後RESETAが入力されてゼロに戻るのですがそこは見えてないデス。
リハビリっていうには負荷が軽すぎるんでないかい?