鳥なき里のマイコン屋(172) ルネサスMCU、Arduino UNO R4で吉例Lチカ

Joseph Halfmoon

Arduinoといえば「電子工作業界?」のデファクト、中でもUNOは数ある一族中の標準機です。UNO R3まではマイクロチップ製のAVRマイコンを搭載。しかし最近になってルネサスのArmコアマイコンRA4M1搭載のUNO R4が発売になりました。ちょっと出遅れましたが購入したので「火を入れて」みたいと思います。

※「鳥なき里のマイコン屋」投稿順Indexはこちら

Arduino UNO R4

今まで高性能とはいえ8ビットのAVRマイコンだったので、32ビットArm(それもCortex-M4という強力なコア)登載ということで期待が高まるUNO R4です。発売になったUNO R4には2機種あります。

    • UNO R4 MINIMA
    • UNO R4 WiFi
MINIMAの方が、プレインなバニラ風味というか、シンプルなRA4M1搭載機です。一方、WiFiの方はその名のとおりWiFi対応機です。WiFi対応のため、メインのルネサスRA4M1以外にESP32-S3も搭載しています。また、本体だけだと「表示が不自由」なArduinoなので、ボード表面に12×8の LED matrixを搭載しています。ちょっと micro:bit 風味。
今回購入してみたのはシンプル(かつお求めやすい価格の)Minimaの方です。製品ページが以下に。

UNO R4 Minima

フォームファクタ的にはArduino UNO R3とまったく同じです。また、Armコア搭載マイコンを積んだ「Arduino互換機」は各社から多数出てますが、その多くはIO電圧3.3Vで、IO電圧5VのUNO R3とは電気的な互換性がありませんでした。しかし、UNO R4は正当な後継機ということでか、5VのIO電圧対応っす。いやどうもそれ以上みたい。その辺もおいおい調べていきたいと思います。

念のためルネサス殿のRA4M1の製品ページへのリンクが以下に。

Renesas RA4M1

ルネサス殿というと、閉鎖的な風土?でドキュメント一つダウンロードするのにも要登録だったりする昔の記憶があったのですが、本機種についてはワンクックで即ハードマニュアルをダウンロード可能でした。日本語版あり。涙がちょちょぎれます。

Arduino UNO R3との比較

念のため、UNO R3とUNO R4 Minimaを2つ並べた写真を以下に掲げておきます。UNO_R4_R3

ボードサイズと穴の位置などは互換ですが、USBコネクタに関してはUSB-Cに変更されてます。USB-Cにした御利益もありそうです。また、UNO R4の方が全般に部品点数も少なくスッキリした印象。部品点数が多いR3よりコストメリットもあるんでないかい?

吉例Lチカの準備

さて、毎度のことですが、新規導入ボードでは吉例Lチカをもれなくやっております。これができれば、開発ツールもボードもまずはOKだと。

Arduino IDE自体はインストール済です。UNO R4対応のためにはボードマネージャを呼び出してボードパッケージを追加するだけで済みます。互換ボードなどでは、どこかのリポジトリへのURLを追加しなければならない場合もありますが、UNO R4は純正ボードなので、IDEは在処など知ってます。ボードマネージャからインストールするボタンが以下に。

BoardMGR

上のインストールボタンを押すと以下のようにずらずらと出力が出て、インストールは比較的短時間で完了しました。既に、Armコアのマイコンなど使えるようにしてあった環境なのでルネサス対応の情報のインストールが主なところみたいっす。BoardMGRinstallationOutput

上記のボードマネージャのインストール完了後、ツール>ボードと開いていくと、UNO R4のメニューが追加されており、その先にMinimaとWiFiがいます。今回は、Minimaなので、そちらを選択。ToolBoard

UNO R4ボードをPCのUSBポートに接続するれば、自動認識されて以下のように選択可能になってました。選択すれば、コネクションもOK。Connect

通例、ソフトウエアのディレイループの中で、LEDポートをON/OFFすることでLチカするのですが、今回、UNO R4のスケッチ例を漁ったら、以下のようにFreeRTOSのスケッチ例があり、FreeRTOS-Blinkというものがありました。FreeRTOS-Blink

RTOS使ったBlinkの方が、カッコイイ(どうせ自分でコード書くわけでないし)のでこれで吉例Lチカを行うことにしました。

ビルドしてボードに書き込んでいるところ(最後のあたり)が以下に。download

上記のサンプルソフトは、オンボードのLEDを点滅させるだけでなく、RTOSスケジューラの動作確認のためか、タイムスタンプなどシリアル出力するようになってました。こんな感じ。SerialMonitor

いや~Arduino UNOもいろいろ近代化?面白そうなところが沢山あり。

鳥なき里のマイコン屋(171) MCC MelodyとMCC Classicどっち? へ戻る

鳥なき里のマイコン屋(173) 久しぶりのRISC-V、8ピンCH32V003で吉例Lチカ へ進む