AIの片隅で(47) Googleの生成AI、Gemini、74AHC245、テストベクトル

Joseph Halfmoon

Googleの生成AI、Gemini様に無茶ぶり?している年寄です。Gemini様は何でもご存じなので「それなりにカッコつけた」回答をくれます。でも結構、慌て者な感じっす。前回は「アナログ」タイマでしたが、今回はロジック回路です。「テストベクトルを作製して」と問いかけてます。そんなことをお願いしても大丈夫なのか?

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※Google様の生成AI、Gemini(無料プランだけれども)を使って回路を「吟味」してもらっています。

今回のプロンプトへの「投げかけ」

今回は前回のように回路図をアップロードしたりしてません。以下だけ、

74AHC245の受け入れテスト用のテストベクトルを作製して

です。なんでそんなことをお願いするかと言えば、購入した74AHC245は表面実装部品なので、ブレッドボードに刺しやすいようにDIP化ボード(ブレイクアウト・ボード)上にはんだ付けしてDIP足にした後でテスト必須だからです。老眼で手先の覚束ない老人です。1.27mmピッチとは言え表面実装のハンダ付けが怪しい。DIP化後、なんやら最低限のテストくらいはしておかんと。

DIP化ボードにはんだ付け(いかにも下手くそ)した後のSN74AHC245の様子が以下に。SN74AHC245onBB

以下は御本家 TI様の製品ページ(データシートあり)へのリンクです。

SN74AHC245 3 ステート出力、オクタル バス トランシーバ

Gemini様、「テストベクトル」も分かってはいるみたい。

例によって3案みていっているので第1案から。A1_0

テストベクトルが何であるのかは当たっているような書きぶりですな。でも「トランスラッチ」って何よ?245は「トランシーバ」で「ラッチ」はしないです。いつものことながらGemini様は慌て者。

入出力の信号レベル、常識的に悪くない線ではあるのだけれども、ご本家TIのデータシートをみると、Vcc=5.5VでVIHとVILは規定してます。5Vでの規定は書いてません。またVOHとVOLはVcc=4.5Vで規定してます。IOH=-8mAも流してもVOHのミニマムは4.4V、IOL=8mAでVOLのマックスは0.44Vです。コマケー話?だけれども。

なお、現物SN74HC245は2V電源から動作可能です。当然Vcc変わるとレベルの規定も変わります。

第1案ではテスト項目として以下があげられとります。A1_1

 

ちょっと見カッコいいんだけれども抜けてますな。74HC245は「双方向」なのでDIRというピンがあり、それを使ってAからBへ、BからAへと方向を切り替えられます。上をみるとAからYへの単方向。何か他のチップと勘違いしてないか。。。

なお第1案ではその一部のみを示しますが、テストベクトルとして以下のような形式のテキストを生成してくれてます。

# テストベクトル

# 電源電圧

Vcc = 4.5V
A0 = VIH, A1 = VIH, ..., A7 = VIH
OE = L
Y0 = VIH, Y1 = VIH, ..., Y7 = VIH

たぶん、単方向のICのファンクションテストとしては最低線な感じっす。でも現物は双方向だし。

またこの老人の事情としてDIP化ボード化したときのエラーを検出したいので

    • 端子のオープン、ショート

もテストしておきたいという希望があるのです。生成いただいたパターンは単一のスタック・アット・フォルトであれば検出できるような気がしますが、隣り合う端子のショートは多分検出できませぬ。この老人がはんだ付けで一番やらかしそうなエラーなのですが。そこまでプロンプトに要求してないし、ショウガナイか。ノージンジャー。

つづいて案2。A2_0

今度は「トランスレータ」です。「トランシーバ」と書いてほしいのだがな。そしてVOHとVOLの規定は、Vcc=4.5VのときのTI様の規定に「ほぼほぼ」一致してきましたが、VIHとVILがいけません。もしかしてTTLレベルだと思った?なお、TIのSN74AHC245は-40℃から125℃です。ここも他の製品の数字をテキトーに拾ってきたっぽい。

第2案のテストベクトルは簡素なテーブルにまとまってます。こんな感じ。A2_2

 

上記については以下のような注釈がついてます。A2_3

Xは Don’t care ということだと思うけれども、Xを入力するのはシミュレーションではありえても現物回路では分けわかりません。Xを観察せよ、ということは「見ない」ってことっすよね。一方、肝心のDIR(方向制御)とOE(出力イネーブル)がゴッソリ欠落してます。

気をとりなおして案3へ。A3_0

今度こそ、トランシーバーかと思ったら「トランスシーバー」でした。どっからそんなお言葉を引いてきたのか?

ベクトル本体は表でした。A3_1

案2と違い、方向(DIRであろう)とOEも含まれているのでちょっと期待した私が馬鹿でした。方向の中に「高インピーダンス」入っています。一方OEのハイ、ローで何制御しているんだろ。

本来は方向で、AからB、あるいはBからAの制御をして、OEで出力の「高インピーダンス」か「実際の値を出すか」を制御しないといけないのだけれども。

それに出力Zをさらっと書いてあるのも酷いっす。HiZをテストするにはそれなりに準備しないと。。。

一応、案3の条件も示しておきます。A3_2

入力Aと出力Aが同じ端子だ、ということが分かってないみたいね。残念。

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