AIの片隅で(46) Googleの生成AI、Gemini、NE555、非安定モード発振

Joseph Halfmoon

Googleの生成AI、Gemini様にハードウエアに関するアドバイスをいただこうと、懲りずにやっている年寄です。前回のオペアンプ使った非反転増幅回路は、3案見比べてみればまあまあOKな感じでした。ただかなりお惚け入ってるけど。今回はド定番、NE555使った回路を投げかけてみます。発振周波数を求めてくれるのか?

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※Google様の生成AI、Gemini(無料プランだけれども)を使って回路を「吟味」してもらっています。

今回プロンプトに投げかけてみる回路

今回、Gemini様のプロンプトにアップロードしてみた回路は以下です。NE555astableWD

定番のNE555使った非安定マルチバイブレータです。ぶっちゃけ、以下の別シリーズ回にて、LTspiceシミュレーション実施、実機測定実施済の回路です。

定番回路のたしなみ(1) 555、アナログタイマIC、非安定モードで矩形波発振

上記では、ダイオードD1を挿入した場合とそうでない場合について、発振周波数を求め、実機でも測定しています。

ダイオード有(デューティ約50%)の場合は計算値約72Hz、LTspiceシミュレーション値約63Hz、実機測定値約63Hzでした。ダイオード無だとデューティ比が50%でなくなり約48Hzほどとなります。

Gemini様のプロンプトへの入力

「ド定番」の回路なので、Gemini様は正しく周波数を求めるであろう、求まるならば、周波数の変更についてお伺いを立ててみたい、というのが今回の野望です。さてまずは画像をアップロードの上、以下のように問いかけてみました。

発振周波数を求めてください。

これは分かるよね。。。

案1の結果の一部が以下に。A1_NE555_1EC

まずね、アップロードした回路図はNE555だけで、OUTの先にトランジスタなどとりつけてないのだけれどもトランジスタ書いてあります。コマケー話?だけれども。

そして発振周波数を求める式、問題ですな。アップロードした図面を見ていただくと、RA、RB、CTという部品で周期を決定しているのですが、トートツにR1、R2、Cでかかれてます。図面を読み取ったというより何か「内部空間の知識と確率」に導かれているみたいデス。

上記で与えられた式でもRA,RBの値を当てはめてデューティ50%に近いところであればだいたいの周波数が計算できそうではあるのです。しかし「代入」したところを見ると回路図のC1(パスコンです)の値0.1μFを拾ってます。本来はCTの1μFを計算に使わんとならないのだけれども。このせいで10倍高い周波数が求まっているみたい。パスコンまで描いていたのがフェイントだった?ごめんなさい。

一方、案2をみると以下のように、TI(に買収されたナショセミ)製のLMC555のデータシートを参考にしていると書かれてます。当方の別件記事で使用したのもLMC555であったので参照しているハズのデータシートは同じものです。コマケーことを言うと、LMC555のデータシートでも抵抗はRA、RBなどという部品番号で書かれてるんだけれどもね。また、データシート上は「1.44を割る」形の簡易な計算式は出てこないように思います。A2_NE555_1B

案2でも計算に使った式は案1と同じ、そして案2では図のC1(パスコン)の値でなく、案1と違ってただしくCTの値を参照できているのだけれども計算した周波数は案1とほぼほぼ一緒。相手が人間だったら、オメー検算くらいしろよ、と言いたくなります(自分もよく間違えるクセに。)

なお、案2は案3の参考文献よりはまし。A3_NE555_1

555タイマーのデータシートとして挙げられているデータシートは、555じゃないです。電源ICのデータシートでした。555使ったスイッチング電源回路とかもあるけれど、案3のURLは無関係のものの「混入」と言わざるを得ません。

人気のデバイスでWeb上のデータ蓄積が多そうだからといって、うまく行くもんでもないのね。。。変更についてのGemini様へのご相談は差し控えさせていただきます。

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