お手軽ツールで今更学ぶアナログ(125) フォトカプラとオペアンプでアイソレーションアンプ

Joseph Halfmoon

「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の2022年4月号の実習4回目です。ようやく「本題」のアイソレーションアンプを動かすの回。フォトカプラPC817CとオペアンプOP27でアイソレーションアンプの「原理回路」を組んで動かしてみます。

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※アナデバ様の StudentZone 2022年4月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。

ADALM2000による実習:フォトカプラの動作

実験している回路は、上記記事に掲載されている(図11と図12)のでそちらをご参照ください。

なお、例によって末尾のQuizの回答編(英語のみ)もあります。

April 2022 StudentZone Quiz Solution

アイソレーションアンプ(ユニポーラ入力、図11)

冒頭のアイキャッチ画像にブレッドボード上に組んだ回路の写真を掲げました。以下は、Digilent Analog Discovery2を接続して動かそうとしているところです。左の8ピンのICがOP27オペアンプ、右の4ピンの2つがPC817Cです。

なお、アイソレーションアンプなので、出力段のフォトカプラの電源、GNDは、オペアンプや入力側とは別電源、別GNDにするべきでしょう。しかし「お手軽ツール」での測定上、同一の電源、GNDに接続です。アイソレーションといいつつ実際にはアイソレーションしていない、原理動作を観察するための構成であります。

IsolationAmpUniDUTConn

前回動作ポイントは「押さえた」ので、アナデバ様の記事のご指定のオフセット、振幅でなく、以下では前回と同じ1.5Vオフセット、0.5V振幅での動作を見ています。100Hz三角波入力の場合の動作がいかに。黄色C1が入力、青色C2が出力です。右の計測ウインドウに、PPの振幅と平均値(オフセット相当。)

UniTri100HzPP1VOFF15V

つづいて波形を方形波に変更し、立ち上がりエッジを時間拡大して観察したところが以下に。UniRect100HzPP1VOFF15Vrising

以下は立下りエッジです。

UniRect100HzPP1VOFF15Vfalling

入力を1kHzの正弦波に変更したときの時間波形が以下に。

UniSin1kHzPP1VOFF15VTIM

上記のFFTの結果がこれ。大丈夫か、この波形、何か間違えてないか?

UniSin1kHzPP1VOFF15VFFT

アイソレーションアンプ(バイポーラ入力、図12)

こちらの三角波入力、いい感じでないかい。

Bi100HzPP1VOFF15V

矩形波にしたときの立ち上がり波形、いや~「ユニ」のときよりリンギング酷いのね。。。立ち上がりそのものも「ユニ」のときより大分早いので早すぎるのかも。

BiRect100HzPP1VOFF15Vrising

立下り波形っす。アンダーシュートも半端ないっす。

BiRect100HzPP1VOFF15Vfalling

続いて1kHzの正弦波に変えたときのFFTの結果。こちらは予想したようなグラフ。BiSin1kHzPP1VOFF15VFFT

下の方の周波数を拡大したところが以下に。1kHzのところにピークがあり、わずかに2kHzに高調波。よい感じ。「ユニ」のときのあのグラフはなんだったんだろ。BiSin1kHzPP1VOFF15VFFT10k

まあ、形ばかりだったけれどもアイソレーションアンプ動かしてみました。2個づかいのフォトカプラは特性測って2個選んだわけでなく成り行きで実験。本当は「マッチング」とれてないとダメなんだけれども。ま、いいか。いい加減だな。自分。

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