「アナデバ社(ADI社)のWeb記事『StudentZone』を初回からすべて読む」の2022年11月号の実習2回目。今回こそ実機演習すべしとFig.8の「小さい」回路を組み立てました。CD4007でもこんな回路動くんだ、とやってみたところが動きませぬ、ホントか?ロジック回路なんだけれども回路設計の深みに誘う一件?
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アナデバ様のStudentZone 2022年11月号記事(日本語版)へのリンクは以下です。
ADALM2000による実習: CMOSベースのDラッチ回路
万能のCMOSデバイス」CD4007を使ってDラッチを作る回のつづきです。前回はLTspiceを使って、Dラッチの回路が動くことを確かめました。ただ前回回路はCD40071個では済まず、ディスクリートのMOSFET、P、N各2個追加して合計10トランジスタでの回路構成でした。
記事を読み進めると、片側トランジスタを使って6トランジスタで回路を構成するものが登場してます。Fig.8とFig.9です。同等回路の極性違いデス。立ち上がりエッジ用のFig.8 相当の回路を冒頭のアイキャッチ画像の左上に掲げました。
左下のようなNchトランスファ・ゲートで構成するような回路には親しみがあるのですが、左上のようなP、N片側づつ使う回路はやってみたことがありません。CD4007で作れるのなら面白いっす。
シミュレーションで動かないぞ
前回、シミュレーションしていたので、実体配線図を作るつもりでCD4007のシンボル使って回路図を描いてみました。こんな感じ。
これで動く筈?黄緑がD信号、青がCLK信号。赤がQ信号です。あれれ、なんじゃらほい。
どうもね、D信号をNch MOSFETだけで「通そう」としているのですが、インバータの回路スレッショルドに届かないみたいデス。Qbar信号がヒックリ返らず、結果Qもピクリともしませぬよな。トホホ。
実機でも動かないぞ
上記のシミュレーションで用いたSPICEモデルは素性の怪しいものであるので、「実機なら動くんでしょ」ということで回路を組み立ててみました。こんな感じ。電源+5V。
しかし、実機でも動きませぬ。
両チャネル使うトランスミッションゲートに戻したらOK
回路間違えてないことを確かめるために、冒頭のアイキャッチ画像の右側にある、P、N両チャネルを使う構成にしてみました(シミュレーションで。)
前回とは異なりすべてCD4007のトランジスタを使っての回路です。
アナログ素人の浅はかな考えですが、ラッチを構成する初段のインバータの回路スレッショルドがもっと低いところにくるように、初段のインバータのNchを強くして、Pchを弱くしてやったらいいんでないかと。ホントか?でもCD4007のトランジスタを変更できるわけでないから、実機で実験できるわけでもないし。結局シミュレーションか?
※2023年2月12日追記:無理やり回路で動かした件が以下の第141回に。