鳥なき里のマイコン屋(1)MCU、SoC、プロセッサ

今では「マイクロコンピュータ」、略してマイコンという言い方はほとんど死語に近いものがあります。昔は、「ミニコン」というものもあり、「メインフレーム」もあったので、「マイクロ」という呼び方も妥当だったのですが、今では上から下まで内部には「マイクロプロセッサ」が入っているためにあまり言わなくなったのじゃないかと思います。CPUという言い方はまだしますが、複数個のプロセッサを集積することが多くなってからは、単にコアなどと呼ばれることも多くなりました。さてこの分野は半導体デバイスの中でも花形的な分野であります。大きく分けると2つに分類することが多いと思います。

  • マイクロプロセッサ
  • マイクロコントローラ

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もともとは、単体のプロセッサ、CPU製品をマイクロプロセッサとよび、プロセッサだけでなくその周辺回路まで1つの半導体チップの中に入れてしまったチップをマイクロコントローラと呼んでいました。用途的には、マイクロプロセッサはコンピュータらしい応用に使われるので高性能、マイクロコントローラは家電製品などに組み込まれるので制御用の小さいものでした。しかし、最近のマイクロプロセッサはシンプルなものでもプロセッサ以外の周辺回路もかなりが取り込まれています。プロセッサの横に置いておかないとスピード的に間に合わない回路が増えたからです。さらにシステムオンチップ(SoC)と言われるような通信などの周辺回路まで取り込んだデバイスも存在します。スマホなどに使われているのはまず間違いなく「SoCプロセッサ」に分類できます。しかし、それらがマイクロコントローラと呼ばれないのは、多くの場合、メモリまで取り込んでいないからです。ここでメモリというのは、プログラムを書き込んでおくためのFLASHメモリとか、データ処理に使うDRAMやSRAMといった主記憶メモリのことです。構造的にはキャッシュメモリもメモリに違いなく、ほとんどのマイクロプロセッサはキャッシュメモリを含みますが、キャッシュメモリは主記憶ではありません。ま、マイクロコントローラ(MCU)とは、自分自身だけで本当に独立して動作できるチップなのです。誰か昔からあるMCUの方がよっぽどSoC(System on Chip)じゃないか、と言った人がいますが、その通り。しかし、MCUは歴史的、ビジネス的にSoC分類には入れてもらえません。

華やかなマイクロプロセッサ分類は取り上げている人が非常に多いので、デバイスビジネス開拓団としては、地味なマイクロコントローラ(MCU)を中心にとりあげていくつもりです。地味とはいっても、なかなか面白いし、好きな人はとっても好きな世界だと思いいます。

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